「どうせ立替」という烙印
売掛金をホストが自腹で支払い、客が分割で返済していくことを「立替」と呼ぶ。立替ばかりで現金がないホストを「立替ホスト」といい、許容を超える立て替えが積み重なると、ダサいホストのレッテルを貼られる。「立替」のイメージがつくと、その後いくら売り上げても「どうせ立替」という烙印を押され、カリスマホストへの道は遠のいていく。
「立替」によって形の上では1000万円を売り上げたはずなのに給料が80万しかもらえなかったホストもいるくらいだ。
ホストもそこでお金を使う女性も、数字や肩書、立場、関係性という不安定な世界での虚構を維持するために日々奔走しているわけだ。現代の「繋がれる推し」文化のある種最上位に位置し、承認欲求から誇示消費、エゴすべてを吸い取るのがホストクラブという存在なのだろう。もはや一部のホス狂いにとっては楽しむ場というよりも戦場と化している。
歌舞伎町「語句説明」
趣味の女
ホストクラブ用語。店で少額しか使っていない、もしくは店に行かなくてもホストに「趣味」のように相手にされている女の総称。ホストからしたら「店に来てもこなくてもいいどうでもいい存在」だったりもする。「お金を使ってないのに相手にされている」という優越感と、けれど本命の彼女にもなれない絶妙なポジション。いずれにせよ、シッカリ店で金を落としている客からすれば嫌な存在である。趣味を優先して客の管理ができないホストは5流。
映え
「SNS映え」「インスタ映え」など、その場の原体験よりも「写真に残したときにいいかどうか」という基準でものを選んでいるときに多用される表現。一時期、おいしそうなキラキラした見た目だけど実際はそうでもないスイーツなどが、写真を撮ったらすぐに捨てられていて問題になった。現実世界よりも、SNS上で「どう見えるか」というまなざしを受けての行動なのがぴえん世代らしい。