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「こんな人いるいる」を集めて煮詰めて生まれた「マウント四天王」

――1巻の2話で、派遣先の会社・ジェットブラックに巣食う「マウント四天王」と呼ばれる問題社員の存在が明かされます。部下にパワハラをしがちな“ボンバイエ高円寺”を筆頭に、嫉妬に狂う女子力系の“シャーデンフロイデ”、他人を支配する頭脳系“マニピュレーター”、ルックスでひいきされ、他人の手柄や交際相手などを横取りする“ラブ・ジャイアン”というマウント四天王の設定も八海先生のアイデアなのですか?

会社に対する熱い思いがパワハラとして暴走しがちな、ボンバイエ高円寺

 「マウント四天王」は、まさによくある問題社員の王道パターンなんですが、直接そういうことをお話ししたわけではないのに、八海先生がご自分で作り上げて設定されたので、すごいなと思いました。どうやって設定されたのか、私もお聞きしたいです(笑)。

八海 あれは、これまでに働いてきた職場や、友人から聞いた話などから「こんな人いるいる」を集めて煮詰めたら4人に絞れたので、「マウント四天王」と名付けてキャラクター化したんです。バランスを考えて4タイプにしたのですが、城さんからもお墨付きをいただけて、ほっとしました(笑)。

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相手をやり込めるのではなく活かし方を考える

――コンサルの人見さんがジェットブラックに行くまでの経緯を描いた1話はプロローグ的な位置づけですが、四天王を登場させることは、1話の段階から決めておられたのですか?

八海 最初は一人ひとり問題社員を出していこうと考えていたのですが、「この会社ヤバい!」と楽しく伝える方法を探すうちに、「マウント四天王」というラベリングに行き着きました。あと、なんかたぎるかなと。

――「天使」のコンサルがモンスター社員をホワイトニングしていく展開にバリエーションを持たせることに難しさはありませんか?

八海 そうですね、天使だから「相手をやり込めて解決」ではなくて、活かし方を考えるのですが、キャラそれぞれの活かし方に理屈が通ってないと真実味を欠きますし、いつも頭抱えてます!

 たとえば、四天王“シャーデンフロイデ”さんは嫉妬深い人ですが、「嫉妬だめ!」とただ伝えるのではなく、情の深さに着目して解決につなげるといった方法です。