出身が富山の田舎なので、昔は自販機がけっこう珍しかったんです。小学生の頃にうちから何百メートルのところに自販機が来て、近所の子たちとえらく盛り上がっていたという。あと、夜に親父から小銭をもらって兄弟で買いに行ったりしたのが楽しかったんですよ。そういう思い出が残ってるのも影響してるんじゃないかなと。
でも、やっぱり、ちょっと、なんでしょうね……細かいことを気にせずに買うのって、ちょっとした贅沢なんですかね。ビッグ・エーでも買うには買いますけど、コンビニで買った時とは気持ちの明るさが違いますもんね。これを言ったら、ビッグ・エーに申し訳ないかもしれないですけど。
おこづかい制によって生じる不条理との付き合い方
――先生は48歳ですが、そうした経済感覚や浪費癖は世代的な部分も大きくないですか。よくよく考えたら使わないものを買ってしまう、オーバースペック志向みたいなものも抱えている世代でもある気がしますし。どんな状況に置かれても、物欲が強めという。
吉本 たしかに、僕自身はわりと浪費家ですね。そこに関しては、末っ子でおばあちゃん子だったせいもありますね。まったく裕福な家ではなかったけど、なんだかんだ甘やかされていろいろと買ってもらっていましたので。それもあってダラダラ使っちゃうというか。
ケチはケチだし、気も小さいから、そんなすごく高価なものにつぎ込むということは独身の時からないんですけど。ただ、安くてなんかちょっと、そういうものはどんどん買っちゃってましたね。
――たしかに、先生の欲しいものはどんなに高くても3万円以内ですよね。『北の国から』DVDマガジン全巻セット(3万円)やJBLネックスピーカー(1万8千円)、パソコンに繋ぐ真空管アンプ(1万8百円)とか。
吉本 数千円、1、2万円のものをいっぱい買いたい、みたいなところはありますね。高価なものを買いたいわけではないけど、たしかに物欲はあります。ハクキンカイロとか欲しくなっちゃうんですよ。あれ、3千円とかなんで買いましたけど、前にUSBカイロを買っていたから「それあるからいいじゃない」と妻には言われました。
最近も、コンビニに行ったらカップヌードル型の加湿器が2千円くらいで売ってて。これは一瞬危ない感じがしましたね(笑)。