毎月1日に妻から支給される、おこづかい。その額は、2万千円……。

 漫画家・吉本浩二氏(48)が、2万千円で過ごす自身の日常とこづかい制のエキスパートたちが実践するやりくり術を描くエッセイ・コミックが『定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ~』だ。

 吉本氏に、これまで出会ってきたエキスパートのなかで最も衝撃的だった人物、こづかい制を導入している家庭の共通点などについて聞いてみた。

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金額の制約があるからこそ楽しくやれる

――おこづかい制で懸命に生きる方々を取材されている先生ですが、そのなかで最も強烈な印象を受けた人はいらっしゃいますか?

吉本 第3話に出てもらった、筒木さんですね。おこづかいが2万円の方。筒木さんは、妻のママ友の旦那さんで。僕の漫画を読んだママ友さんに「うちの旦那は2万円でやってる」と言われて、バーベキューの席で紹介されたんですよ。

吉本浩二さん

 なんか、淡々としているというか……なんていうんでしょうね。まさか、ランチ代まで2万円から出しているとは思っていなかったので。衝撃でしたね。

――先生は、他の方がランチ代をどうしているのかを重要視されていますよね。

吉本 僕はランチがないので、2万千円にされているはずなので。もし、ランチがあったら3万くらいにしてくれていたと思うんですけど……。

『定額制夫の「こづかい万歳」 ~月額2万千円の金欠ライフ~』より ©吉本浩二/講談社

――3万円になるのは嬉しいですけど、そこからランチ代をどう捻出するかで新たに悶々としそうではあります。

吉本 まぁ、仮にランチ代込みで3万になっても、菓子パンとかいっぱい買ってしまいそうな気が。安い菓子パンを食べ過ぎることになると思うので、そうなってたら体を壊しちゃってたんじゃないですかね。

――第9話に登場する先生の幼馴染み、おこづかい1万5千円の村田さんも忘れられません。駅構内の片隅に立ってビールとハイボールをチビる“ステーション・バー”を楽しむ姿には、衝撃を受けつつも尊敬の念すら抱きました。また、村田さんの“1万5千円という制約があるからこそ楽しくやれる”という考えも深くて。