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「ランチ代込みで2万円」「駅のホームで立ち飲み」おこづかい巧者は、なぜみんな楽しそうなのか

『こづかい万歳』作者・吉本浩二さんインタビュー #2

2022/01/23
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――取材でお会いした方々が編み出した“やりくり術”を先生も実践されていたりは?

吉本 ポイントを貯めるように。ものすごく念入りというわけじゃないんですけど、ポイントは意識していますね。楽天はけっこう利用していると思います。Pontaポイントを極めた工藤さん(第5話に登場)に取材しておいて、Pontaじゃなくて申し訳ないんですけど。

――では、電気やガスも楽天で。

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吉本 いや、さすがにそこまではしてないです。うちが良く行くのが、楽天カードのポイントが貯まるお店が多いかなと思ったので。あと、ETCもマイレージポイントが付くので使っていますね。だから、高速に乗ってオフハウスに行ったのに「金がないなら高速使うな」って批判が来ちゃって(笑)。でも、あれは行くことが楽しいのでいいんですよ。別にお金を使いたくなくて行ってるわけじゃないから。

――スマホのアプリは駆使されていませんか。いま、歩いた距離をポイント変換できるMilesやトリマなどがありますよね。

吉本 スマホのやつだと、Coke ONは興味あります。歩くとスタンプがもらえるんですよね? 自販機の当たり付きジョージアはよく買っていて、3本くらい当たって飲まずにスマホに貯めてあります。

テーマは「貧すれば研ぎ澄まされる」

――おこづかい制でやっていける方々は、楽しく日々を満喫している一方で、なにか大きくのしかかっているものもあると思われますか。

吉本 お子さんのことが大きいんじゃないかな。みなさん頑張っていると思いますね。僕の場合は、そこにお金の使い方があまり得意じゃないのも加わっているからなのもありますけど。

 こういうことを言うとアレかもしれませんが、住んでいる場所や土地柄もあるのかなとは思うんですけど。おこづかい制の人が多いのって。なにかを捨ててきた……捨ててきたと言っちゃうとアレなんだけど。そいう人たちが、越してきているのを感じているんですよね。

――捨ててきた“なにか”というのは?

吉本 自分がそうだったんです。埼玉県民になった途端、すごく気が楽になったというか。渋谷区の笹塚とかけっこう長く住んだことがあるんですけど、東京に来たくて来たはずなのに……なんていうんですかね。東京郊外の東久留米に10年ぐらい前に引っ越したんですけど、その時から急にすごく気が休まるようになっちゃって。まぁ、場所以外に年齢的なこともあるかもしれないんですけど。