吉本 ああ、なるほど。ちょっと、インタビューの趣旨から外れてしまうかもしれないですけど……何話からだったかな。バイクの方、佐野さん。佐野さんが出る第6話から20ページになったんですよ。それまでは、24ページとか26ページあったんですね。掲載のペースも月1じゃなくて、新しい話を描くたびにページ数を相談して決めていたんですよ。
でも、バイクの佐野さんの回から、月1で掲載、20ページでやっていこうと決まって。それを機に、やりがいを感じた気がします。
――先生も制約や制限があるからこそ、創作意欲を掻き立てられると。
吉本 ステーション・バーの回も20ページですからね。20ページでどこまでどう描けるかみたいなのが、やりがいに繋がっているといいますか。20ページは、いい意味で制限かもしれませんね。
給付金のときは日経の番組からインタビュー
――ちなみに歴代のエピソードや登場した方で、いちばん反響が大きかったのは?
吉本 やっぱり、ステーション・バーですかね。あんなに反応があるとは夢にも思わなかったんで。妻が日高屋に行く話、カルピスで僕と揉めた第4話も良かったですね。日高屋のお客さん全員が笑顔だという。
給付金の話は、経済学者の方が気に入ってくれたし、BSテレ東でやってる日経の番組(日経モーニングプラスFT)でインタビューを受けましたね。うちは4人家族なので、給付金を40万円もらえたんですよ。それで、10万で畳、2万でインターホン、1万でオーブン、7千円でコーヒーメーカーを新しいのに替えて。
――ちゃんとお子さんの貯金もしつつで、バランスの良い使い方だなと思いました。奥様からまさかの特別ボーナス2万千円支給、それを使った日高屋の一家団欒で幕を閉じる、実にホンワカしたエピソードでもありましたし。
吉本 結局、あの時に買ったコーヒーメーカーは使わなくなっちゃって。ドリップっていうんでしたっけ? 1回、1回、カップの上に乗せてお湯を注ぐやつ。あれのほうが美味しいと思えてきちゃって。
買ったコーヒーメーカーは、よく見たら保温機能がないんですよね。それがなんか……。妻はステンレスの保温機能を付いてるのを買えばと言ってたんですけど、少し安いのを買ったら保温機能が付いてなくて。買ったのに使わなくなったもんだから、妻にはチクチク言われるんだけど。でも、高いのを買おうとしたら安いほうがいいと言っていたから。