1月19日、第166回芥川龍之介賞(日本文学振興会主催)の選考会が東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、砂川文次さん(31)の「ブラックボックス」(群像8月号)が選ばれた。
受賞者の経歴は
砂川文次さんは、1990年大阪府生まれ。公務員。2016年「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。芥川賞は3回目のノミネートだった。
〈作品〉「市街戦」2016年文學界5月号。「熊狩り」16年文學界11月号。「バベルの褒賞」17年文學界11月号。「戦場のレビヤタン」18年文學界12月号=第 160 回芥川賞候補、単行本は 19 年文藝春秋刊(「市街戦」併録)。「臆病な都市」20 年群像 4月号、単行本は20年講談社刊。「小隊」20年文學界9月号=第164回芥川賞候補、単行本は21年文藝春秋刊。「ブラックボックス」21年群像8月号、単行本は21年講談社刊(予定)。
芥川龍之介賞は、菊池寛(明治21年~昭和23年)が直木賞とともに、昭和10年に制定したもの。雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから、最も優秀な作品に贈られる。正賞は懐中時計、副賞は100万円。「文藝春秋」3月号(2月10日)に受賞作全文と選評が掲載される。
現在の選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・平野啓一郎・堀江敏幸・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一の各氏が務めている。
■第166回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略
石田夏穂「我が友、スミス」(すばる11月号)
九段理江「Schoolgirl」(文學界12月号)
島口大樹「オン・ザ・プラネット」(群像12月号)
砂川文次「ブラックボックス」(群像8月号)
乗代雄介「皆のあらばしり」(新潮10月号)