昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

「死ぬときくらい注目されたい」…“大阪放火殺人犯”がスマホに残していた緻密すぎる計画

 現場に残されたスマホには「犯行計画」が――。

 大阪・北新地の雑居ビルで起きた放火殺人事件。焼け跡からは谷本盛雄容疑者(61=年末に死亡)のスマホが見つかっていた。

「スマホの契約日は昨年5月23日でした。データを復元したところ、電話番号の登録は一件もなく、通話記録も電気やガス会社だけ。一方で翌月から、スケジュール管理のアプリに下見の様子などをメモしていたのです」(社会部記者)

府警は被疑者死亡のまま書類送検する方針

 最初の記述は6月14日(月)。〈踊り場の扉を開けて寸法を取る〉〈掃除のおばちゃんがいるかを確認する〉と「やるべき下準備」が記されていた。

 人の出入りを観察するなど、具体的な行動に及ぶのは9月から。9月9日(木)は〈20時54分 踊り場ドアが閉まった〉〈21時13分 先生が1階出入口から出てきた〉。10月22日(金)には〈心療内科 9時58分までに計22人一気に入ってきた〉〈10時1分 踊り場ドアを受付の人が開けた〉。

「記述は木曜と金曜に集中していた。金曜は午前10時の開院時から大勢の患者が集まる『リワークプログラム』の日。木曜夜に扉などに工作を行い、金曜午前に放火する計画を練っていたことが窺えます」(同前)

 以降、谷本は放火に向けた準備を加速させる。11月5日(金)には〈リワークの人がいない方が消火栓に接着剤を塗りやすい〉。12月2日(木)には〈20リットル携行缶にガソリンを買った〉と書かれていた。

「翌12月3日が事件前最後、112回目のクリニック受診でしたが、防犯カメラには不審な動きの谷本が記録されていた。消火栓が開かないよう、補修材を扉の隙間に塗り込んでいたと見られますが、そうした緻密さも特徴です」(同前)