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 ただ、その頃にはオーディションに合格していたので、東京に行くことを目標にレッスンを頑張っていました。中学2年生の途中から芸能コースのある東京の学校に編入すると、まわりにいるアイドルや女優の方たちはみんな優しくて。地元での妬みがなんてちっぽけなんだと気づいたんです。自分のこともちっぽけに見えて、「もっと頑張らなきゃ」と刺激を受けました。

――先ほど話に出たクラシックバレエは、いつから始めていたんですか?

広瀬 4歳から中学生までクラシックバレエを習っていたんです。たくさんのプロを輩出している厳しいバレエ団でした。主役にはなれなくて、例えば「くるみ割り人形」だったら兵隊の役。でも、週末は1日中レッスンして、それが自分にとって価値のある時間だったんです。小学5年生からはヒップホップダンスとジャズダンスを習い始めたんですけど、クラシックバレエを習っていたおかげで体の軸ができていたので、すぐに馴染めました。

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――バレエは親から言われて?

広瀬 いや、自分からなんです。モデルもそうなんですけど、親にやらされたことはひとつもなくて。小学生ながら勉強よりも芸事のほうが自分はキラキラできるんだと自覚していました。

審査員に「アイドルには興味がないんですか?」と聞かれ…

――東京パフォーマンスドールには、オーディションで入ったんですよね。

広瀬 中学1年生の終わりくらいに中学生向けファッション誌のモデルオーディションの最終選考を東京で受けたんですけど、かわいい子ばかりで自信を喪失して。母が私を元気づけるために「109で買い物をしよう」と渋谷に行った時、ロッテさんとコラボしたソニーミュージックの公開オーディションをやっていたんです。

「夢がある子ならジャンルを問わない」と書いてあったので、軽い気持ちで受けてみたら、その時は自己紹介して写真を撮っただけだったんですけど、すぐに電話があって、静岡のオーディションに呼ばれたんです。

 

 まわりはブリブリのアイドルのような子ばかりだったけど、私は「モデル」のオーディションだと思っていたので、おでこを全開にしてスタイルがわかるような服で参加したら、審査員の方に「アイドルには興味がないんですか?」と聞かれて。「ブリブリのアイドルには興味はないんですけど、KARAさんや少女時代さんのようなカッコいいアイドルに憧れています」と話しました。

 その後、東京での2次審査にも合格して、10数名いる候補生のひとりとして1年間、歌とダンスのレッスンを受けることになったんです。

――「アイドルになるつもりはないんだけどな」という気持ちにはなりませんでしたか?

広瀬 それはあって。スタッフの方に「モデルをやりたいんです」と伝えたら、「まずは歌と踊りを頑張ってみよう。そのうえでモデルや女優、タレントを目指せばいいから」と言われたんです。ごまかされたのかなと思いつつ(笑)、レッスンを受けていくうちに楽しさに目覚めて、「もっと上手くなりたい」と思うようになったんです。