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「東京パフォーマンスドールというグループに入ったと母に話したらすごく驚かれてて…」元アイドル(23)が“スタートにたった日”

元東京パフォーマンスドール広瀬晏夕さんインタビュー#1――アイドル戦国時代を振り返る

2022/01/23
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「勝ち残りたいというか、絶対に残る自信があったんです」

――「候補生の中から勝ち残りたい」という気持ちは?

広瀬 勝ち残りたいというか、絶対に残る自信があったんです。結果が出た時も、自分がストイックにやってきたことが評価されたんだなと思いました。そこで残った6人と、他のオーディションで受かったメンバーがTPDになったんです。

――最終的に集まったメンバーを見て、どう思いましたか?

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広瀬 全員かわいいけど、見た目はバラバラで、最強のグループができたんじゃないかと思っていました。ただ、それまでグループ名を知らなかったので、スタッフの方たちから「あなたたちは東京パフォーマンスドールです」と言われた時は、「ポカーン」とするしかなくて。まだ自分が生まれていない頃に活躍していたグループだから、名前を聞いたこともなかったんです。

 母に「東京パフォーマンスドールというグループに入った」と話したら、すごく驚かれて。調べたら、篠原涼子さんをはじめとして素晴らしい方たちが所属していたグループだと知ったんです。

 

受け取ってもらえないチラシ、たまに声をかけられても…

――運営の方たちは、アイドルじゃなくてパフォーマンスグループであることをメンバーに話していたそうですが。

広瀬 それを聞いて、私が憧れていた少女時代さんやKARAさんのようなパフォーマンスができそうだなと思いました。白い衣装は何にも染まっていないようで、新しいアイドル像を切り拓いていけるんじゃないかとワクワクしたんです。

 CDデビューまでの1年間は、歌とダンスと演劇、さらにプロジェクションマッピングを融合させたPLAY×LIVE 「1×0」(ワンバイゼロ)を公演しながらパフォーマンスを磨きました。

 その頃がいわゆる「下積み」で、渋谷のセンター街でチラシを配ったこともあったんです。受け取ってくれない人ばかりで、たまに「東京パフォーマンスドールじゃん」と声をかけられても、当時のメンバーは誰もいないから「どういうこと?」と言われて。

先代TPDのライブ映像に唖然「私たちはこんなことに挑戦するんだ」

――お芝居は「1×0」で初めて挑戦したんですよね。

広瀬 「1×0」はエピソード1から5まであって、エピソードごとに2人ずつ主役がキャスティングされるんですけど、私はエピソード1の主役で、演技経験がないうえに、お手本もなくて、自分が棒読みかどうかもわからない状態でスタートしたんです。もちろん演出家の方はいるんですけど、自分たちでアイデアを出して、映像とつながるような動きを考えなきゃいけないので、演劇パートは苦労しました。