「学校帰りにジャンクフードを食べたかったらグループをやめてください」
――年に数回は親と対面して話すこともあったんですか?
広瀬 TPDはとにかく休みがなかったんです。ライブがない日も学校が終わったら0時すぎまでレッスンがあって、年末もライブで、お正月に2、3日休みがあるのかなと思ったら、そこに取材が入って(笑)。だから、帰省して両親に会うこともできなくて。母が握手会に並んでくれたこともありました。
――じゃあ、夜遊びなんて。
広瀬 しないですよ(笑)。寮が厳しかったし、東京のことを知らなかったので。体型維持に関しても厳しくて、朝昼晩に食べたものと体重をスタッフにメールしていたんです。「学校帰りにジャンクフードを食べたかったらグループをやめてください」と言われるくらいでしたから。「24時間、360度、カメラに撮られても問題ない生活をしなさい」とも言われてきて、プロ意識を植え付けてくれたスタッフの方たちには感謝してます。
――ストイックにパフォーマンスを追求するグループもあれば、違う部分で勝負しているグループもいて。後者のほうが人気になることもあるじゃないですか。
広瀬 TPDは特殊なグループだったので、他のグループを意識することがなかったんです。「私たちは私たち」と思っていました。
――以前、TPDのメンバーに取材した際、「他のアイドルと比べて、良くも悪くもキレイに収まりすぎているな、と思うこともありました。ノンストップライブが終わって、めちゃめちゃ疲れているのに、そんな素振りを見せないようにしていたんです。他のグループを観て、『心のままライブをしているから伝わるものがあるんだ』とわかったけど、それができない。『疲れてないよ!』と本心を隠してしまうんです」と話していましたが、広瀬さんはそう感じることはありましたか?
広瀬 私はそうは思わないです。プロとして当たり前のことをやってきたと思うし、それが他のグループとの違いで、そんなTPDが好きな方たちが多かったと思うから。ノンストップライブだって、結果的に他のグループでも流行り出して、TPDはその先駆けだったじゃないですか。アイドル界に新しい道を切り拓いていくのがTPDだったと思うんです。
――「もっとこうしていればTPDはもう一段階上にいけた」という想いはないですか?
広瀬 うーん。バズることですかね(笑)。例えば、メンバーの誰かがCMに出て話題になるとか、そういうことが足りなかったんじゃないかなって。私自身、個人で活躍してグループに還元させることができなかった反省はあります。
――広瀬さんは、17年11月から活動を休止して、18年4月に卒業しました。
広瀬 いろんな噂が流れたんですけど、みなさんが思っているようなことはないんです。「もっと上のレベルにいきたい」と考えていたタイミングで、グループの方向性やスタッフの方の編成が変わったことで、退団を決めました。