大きな反響を呼んだ李相花元選手への気遣い
韓国では平昌オリンピックで見せたライバル、李相花元選手への気遣いが大きな反響を呼んだ。
小平選手は500Mで新記録を出し、歓喜した観客が大きな声援を送ったが、小平選手は次に滑る李元選手を気遣い、それを制止した。レースが終わると、2位となり涙にむせぶ李元選手のもとに歩み寄り、包み込むように抱擁しながらふたりでリンクを一周した光景は今でも名場面として語り継がれている。
その李元選手は平昌オリンピックで現役を引退。今大会では地上波KBSの解説者として北京入りしているが、現地でのインタビューで小平選手について触れられると、「競技前は誰かに会うようなことはルーティンを壊すことになるので競技後に(小平選手と)会いたい」と気遣いを見せ、「彼女の気持ちも、ここまでの道のりも知っているので、まるで私が滑るような感じ」(ソウル新聞、2月4日)と涙ぐんだ。
小平選手にはスピードスケート500Mでの2連覇に“期待”が集まっている。
韓国のスピードスケートが戦力不足に
スピードスケートは、実は韓国のお家芸。しかし、今季は、李元選手などのスター選手が引退し、さらに昨年は醜聞が続いた。特に8種目のうち6種目でメダルを獲得したショートトラックでは、看板スターだったシム・ソッキ選手が同僚を誹謗したり、八百長を匂わせたりするメッセンジャーの内容がマスコミによって公となり、12月には2カ月間の代表資格停止処分となった。
シム選手は、平昌オリンピック終了後、コーチのひとりから性的暴行を受けていたことを告発。コーチは懲役13年の実刑となり、大きな注目が集まった。コーチは昨年12月に懲役13年が確定したが、今回のシム選手のメッセンジャーの内容は、このコーチが裁判の過程で入手した資料を判決前にメディアに流したともいわれている。シム選手側は処分停止の仮処分を裁判所に提出していたが認められず、北京オリンピックには出場できなくなり、戦力不足といわれている。
どんな名場面が飛び出すか期待
そんなスケート界に世論はしらけ気味。代わりに注目を浴びているのがカーリング代表チームだ。
平昌オリンピックでは女子チームが韓国カーリング初の銀メダルを獲得し、一気に人気スポーツとなった。競技中、主将が指示を出す際に選手の名前「ヨンミ」を連呼したことを覚えている方もいるかもしれない。日本代表の「そだねー」と同じように韓国で一時、流行語となった。
新型コロナウィルス「オミクロン」の市中感染、外交ボイコットなど不穏な雰囲気も流れる北京オリンピックだが、4年に一度の冬の祭典、無事に行われることを祈りながら、どんな名場面が飛び出すか期待もしたい。