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 マヂカルラブリーとかランジャタイ、モグライダーって、アングラの面白い部分を上手にマスに伝えてくれる器用さがあるから、めちゃくちゃ期待してます。僕は、ガチもんすぎて世間には重すぎると思います(笑)。ポップな形で、アングラやカルトの見方を変えてくれるのは、彼らだと思う。

――永野さんは、ご自身の笑いに対しては信念を曲げないですけど、同じ事務所の後輩からは「とても的確なアドバイスをしてくれる」と評判ですよね。そのプロデュース力を、なぜ自分に向けないんですか?

永野 自分に置きかえちゃうと、本能が先行しちゃうんですよね。芸人仲間や後輩には不幸になってほしくないじゃないですか。だから、アドバイスをしてしまうというか。自分じゃないから冷静に見れる。自分事になると、破滅の道を進みたくなる(笑)。

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 いまさらなんですけど、90年代にデビューしたヒップホップグループのウータン・クランにハマっていて。90年代だから音が不穏なんですよ。過去の記事を調べて読んでいたら、彼ら自身が、「俺たちはヒップホップ界のニルヴァーナだ」って言っていた。やっぱりそこに戻ってくる自分がいるんですよね。

 リーダー的存在のRZAってメンバーがいるんですけど、やりたい放題なのにプロデュースするときはめちゃくちゃしっかりしてる。最近は俺のことをNZA(ナザ)って呼んでくれって、事務所の後輩に言ってます(笑)。

 

「不穏であり続けること」にこだわる理由

――完全に影響されているじゃないですか(笑)。

永野 (千原)ジュニアさんがMCをしている『千原ジュニアのヘベレケ』という番組に出演させてもらったんですけど、ジュニアさんが、ラッセンで出てきたとき世の中は騙されてるかもしれないけどもこいつは何かいろんなものを隠しているんだろうなって言っていて。ありがたいことに、僕のことを最も過小評価されている芸人とまで言ってくれて、僕が考えたネタ(永野の頭の中の世界)をジュニアさんが演じるライブを22年にやりたいとまで。

 そういうNZAとしての活動を広げていきたいと思いつつ、自分が何かを演じるときは辛いものであり続けたいなって。不穏であり続けたいんですよ。不穏って何が起こるかわからない。裏をかえせば予測不能とも受け取れるわけで、そういう芸人でありたいですね。

写真=鈴木七絵/文藝春秋

【前編を読む】「芸人がYouTubeやるのって嫌だな、と…」 「ラッセンが好き」でブレイクから8年、永野がこじらせていた“自意識”