1ページ目から読む
4/5ページ目

実際に経験した借地権物件トラブルのリアル

 というわけで、借地権に関する一般的なデメリットについて解説してきました。多くの方はこのへんでお腹いっぱいだと思うのですが、今度は私が投資用の借地権物件で遭遇した具体的なトラブルについてご紹介します。ややレアなケースだと思うのですが、いつか皆さんも同じようなトラブルに遭遇するかもしれません。

 まず、私が購入したのは京成小岩駅から徒歩7分、200万円という借地権付きの戸建てです。借地料は月5000円と格安で、地主は近くの優しいお寺さんという恵まれた条件だったのですが、それでもいくつか困ったことがおきました。

200万円(借地料5000円/月)で購入した借地権付きの戸建て

 建物は経年劣化とツタでボロボロになっており、大工さんに見てもらったところ「強度が足らず使用不能」と判定されてしまいました。新築する場合は建築費と建て替えの承諾料が必要で、投資としては利回りが低くて成り立ちません(試算すると5~6%程度)。

ADVERTISEMENT

 それなら全て取り壊して貸し駐車場にしてはどうかと思ったのですが、借地権というのは建物を建てて使う権利なので、建物が滅失すると借地権自体がなくなってしまいます。つまり、更地にして使うという選択肢がとれないのです。

 また同様に「車が必要なくなったので、駐車場だけ他の人に貸し出す」というのも揉め事になる可能性が高いと思います。

強度不足を回避するために建物の一部を取り壊して駐車場にすることに

 今回のケースでは「強度が問題ない建物の左半分を残し、右側は取り壊して駐車場つきのマイクロ戸建てにして、一体で貸し出す」という超絶テクで成り立たせたのですが、この場合もやはり減築にともなって床面積が変わるため、地主さんへの承諾料が必要となりました。