これは紛れもなく“事件”――。文春オンライン『好きな芸人ランキング』で不動の絶対王者サンドウィッチマンの牙城を崩したのは、千鳥でもかまいたちでもなく、結成13年目のコンビ・ニューヨークだった。皮肉と偏見を巧みに可視化、言語化するネタは時に批判も浴びながら、2022年いよいよ本格的なブレイクを迎えている。

 今回『NEWニューヨーク』(テレビ朝日)による文春オンライン編集部突撃取材後の彼らに、スペシャル逆インタビューを敢行。ニューヨークはいかにして好きな芸人第1位になったのか。彼らが抱える「東京芸人の美学」と「テレビとの格闘」について。

◆ ◆ ◆

ADVERTISEMENT

ニューヨークの嶋佐和也さん(左)と屋敷裕政さん(右) ©文藝春秋 撮影・鈴木七絵

――以前私が別媒体でニューヨークさんをインタビューさせてもらったときは、『2021年の顔』というテーマでした。そこからまさに2021年の顔と言える活躍をし、ついに好きな芸人ランキング第1位になりました。

屋敷:ありがたいですねぇ(笑)。

――実際にニューヨークさんは早くから「ネクストブレイク」と言われていて、でもブレイク待ちの時間は結構長かったのではないかと思います。お2人の中でのターニングポイントって、なんだったと思われますか?

屋敷:やっぱり2019年にYouTubeはじめたり、単独ライブの形変えたり……そのタイミングでたまたまM-1決勝にも行けて。2019年がターニングポイントの年やった気がしますけどね。

 

 芸風を変えようとかは思わなかったけど、ラジオを自分からやろうとか。なんていうのかな……今までは「テレビに出るために賞レース決勝に行く」としか考えてなかったんですけど、最悪テレビなしでも自給自足できるようにしようっていう気持ちに変わってきた。YouTubeと単独ライブをがんばって。テレビにしがみついてる芸人よりも、もしかしたらそういう芸人の方が魅力的なんじゃないかな、と。

嶋佐:まぁでもほんとそうですね。2019年が転機の年という感じがしますね。

「どういうことをやったらまたテレビに呼ばれるのかマジでわからない」

――テレビにしがみつかないようにしたことが、結果的にテレビにつながった。

屋敷:それは想像してなかった。ただ、マツコ・デラックスさんにしても坂上忍さんにしても、そんなにテレビにこだわってない雰囲気の人が番組に呼ばれてるイメージは2018年頃からありました。そういう時代なのかなってちょっと思ったり。

 

――「2021年の顔」インタビューの時に、屋敷さんが「どういうことをやったらまたテレビに呼ばれるのかマジでわからない」という話をされていて。手応えがあっても次呼ばれなかったり、何もできなかったと思ってもまた呼ばれたり、みたいな。あれから1年少し経って、お2人の中でその答えは見えてきましたか?

屋敷:いやぁ出てないですね。出てないし、どうやら先輩も出てないっぽい。

嶋佐:たしかにたしかに。

屋敷:みんなあんまりわかってないっぽい。だから数珠とか買うって(オードリー)若林さんも言うてましたし。