スパイスを使った料理が一部でブームとなっている。一方で耳馴染みのないスパイスを使用した料理となると、調理にハードルの高さを感じてしまう人も少なくないだろう。

 しかし、人気スパイス料理研究家の印度カリー子氏のレシピ本『印度カリー子のスパイススープ めぐる、ととのう、きれいになる』(世界文化社)には、そんな不安を払拭する簡単レシピが多数掲載されている。ここでは、同書の一部を抜粋。思わずつくってみたくなる絶品スパイススープレシピを紹介する。(全2回の1回目/後編を読む

 

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スパイススープ作り3つのポイント

●スパイス×素材のシンプルな組み合わせでいい

 すっーと体にしみわたる、素材の自然な旨みや甘み。これをスパイスと塩だけでシンプルに味わうのがここで紹介するレシピです。手に入りやすい野菜や肉、魚介を主に使っています。冷蔵庫にある食材や季節に応じてアレンジしてももちろんOK。そして、効能のあるスパイスを加えることで、新鮮な味わいが広がり、心身の不調を優しく癒やすひと皿になります。作っていくうちに、青菜の香りにはクミン、かぼちゃの甘みにはシナモン、というように、素材とスパイスの相性が、自然とわかるようになると思います。

●出汁いらず。味の決め手は塩

 スパイススープの味を左右するのは「塩」。旨みは野菜や肉から溶け出てくるので、出汁やコンソメは使いません。必要最小限の調味料だからこそ、素材のおいしさをきちんと引き出してくれます。塩だけで味をつけているから、自分好みの味つけに調整しやすいのもポイント。紹介するレシピでは自然塩(海水塩・粗塩)を使っていますが、普段から使っている塩でもちろんOK。ちなみに、スパイスには塩気がないので、たしても味はつきません。

自然塩(天然塩)

 海水塩、天日塩、粗塩、岩塩など、ミネラルが豊富に含まれているもの。塩辛くなく、まろやかな味わいのものが多い。健康に気を使う方には特におすすめ。

 

海水塩

 自然塩のひとつ。海水を天日で乾燥させたもの。強い塩気がなく角が立っていないまろやかな味わいがある重めの質感が特徴。使用範囲の広い塩。

 

岩塩

 自然塩のひとつ。海水が閉じ込められて結晶化したもので、硬く溶けにくい。硫黄のような香りがあることもあり、相性が合わない野菜も。粗めの粒から微粒まで、粒の大きさもさまざま。

 

精製塩

 いわゆる食卓塩。製造過程でミネラルが取り除かれているため、成分の99.5%が塩化ナトリウム。塩辛い特徴があるため、少なめの量から調整する。

●レンジやフライパンで簡単調理

 紹介しているほとんどのスープが、最小限の手間で作れるものばかり。材料をレンチンして混ぜ合わせたら、でき上がり! なんてものもあれば、すべての材料をいっぺんに入れて煮込むだけのものも。ポタージュは、フライパンの中でハンドブレンダーを使えば楽ちん!(もちろんミキサーやすり鉢でもOKです) 「ちょっと疲れているな」なんて時でも作れる手軽さが、スープの魅力でもあります。