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欲しがっていたモノをプレゼントしたのに、義母(65歳)はなぜか使ってくれません――中野信子の人生相談

あなたのお悩み、脳が解決できるかも?

2022/02/09
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 みなさまのお悩みに、脳科学者の中野信子さんがお答えします。

中野信子さん ©文藝春秋

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Q 義母はプレゼントしたものをなかなか使ってくれません──33歳・パート勤務の主婦からの相談

 大学の同級生と結婚して4年。隣町に住む夫の両親とは、学生時代から仲良く付き合えています。義母(65歳)とはよく一緒に買い物に出かけ、コロナになる前は2人で観劇や映画にも行っていました。

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 ただ、義母は私たちが洋服やバッグをプレゼントしてもクローゼットにしまい込み、流行遅れになった頃にようやく使い始めます。欲しがっていたモノをプレゼントしているので気に入らないわけではないはずです。

 私は贈り物をされるとすぐにビリビリと包装紙を破き、なんならその場で身につけます。義母はなぜすぐに使ってくれないのか。正直、残念というか、少しイラッとしています。

「お義母さまとあなた、行動原理が違う」中野信子の回答

A お義母さまはあなたがプレゼントしてくれたことが、むしろうれしくて仕方ないのではないでしょうか。あまりに気持ちが入り過ぎていると、いただいたものをなかなか使えないものです。中野があなたの姑だったら、かわいいお嫁さんからいただいたものを、やっぱりうれしくてすぐには使えないかもしれません。

最新話は発売中の「週刊文春WOMAN 2022年 創刊3周年記念号」に掲載中

 脳科学では、感覚的な反応を定量化して人間の行動原理を解析するという方法をしばしば採りますが、お義母さまとあなたの行動原理の違いもそうやって分析できるのではないかと思います。

 モノの価値については通常、お値段に比例するものだと考えられていますよね。お値段が高いものほど価値も高い、当たり前のことかもしれません。

 でも、それが特別な誰かからプレゼントされただとか、息子が初めてのボーナスで購入してくれただとかいう特殊な状況が絡んでくると、必ずしもお値段そのものがそのものの価値であるとは言えなくなってきます。