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中古パーツの信頼性は……?
中古パーツ業界そのものの信頼性を向上させるにあたり、大きな役割を担うのが、事業者間のネットワークである。全国には解体業者の組合やグループが複数存在し、それぞれ品質管理の水準を業者間で保ちながら、加盟企業の抱える在庫情報を共有する。このシステムを通じ、部品の調達効率を向上させ、品質を担保するわけである。
「(組合などに)加入する際には何段階も研修を受け、品質管理やアフターフォローについての基準を共有していきます。業界を通じて、お客様の満足や安心に足るレベルのものを提供しつづけられるよう、業者間の連携や情報交換も密に行っています」
このように業者間のネットワークにおいては、点検や保証の基準といった形式面の整備に加え、現場での取り引きやコミュニケーションを通じ、日々自発的な改善が図られているわけである。
「取り引きのなかで、年式や走行距離、パーツの傷などの情報をありのまま開示しつづけることで、信頼関係が生まれます。『傷がないと言っていたのに傷だらけ』みたいなことがあれば、業界のネットワークのなかで生きていけないわけです」(同前)
解体の際に取り外された中古部品は、市場に出回り、板金・整備工場などで再利用されることになる。解体業者が整備工場などに中古部品を販売する際の価格は、「新品の半値を超えない程度」が目安になり、整備工場における修理の際には「新品の6割~7割程度」の価格でユーザーに提供されるのが一般的だ。