フジ・メディア・ホールディングスは、3日、子会社のフジテレビが実施した希望退職の募集に伴い、約90億円の特別損失を計上すると発表した。同社希望退職者の「優遇措置」も報じられていたが、局内では、トップに君臨し続けている日枝久社長(83)への疑問の声が上がっている。

 昨年末「週刊文春」では、「日枝さんはいつまで残るのか?」と本人に直撃取材していた。当時の記事を再公開する。(初出:週刊文春2021年12月09号 年齢・肩書き等は公開時のまま)

フジテレビ本社

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 フジ・メディア・ホールディングスは11月25日、傘下のフジテレビで希望退職を募集すると発表した。対象者は50歳以上で勤続10年以上の社員。通常の退職金に加え、特別優遇加算金を支給する。内部資料によれば、対象者には局長らが個人説明を行うという。

「直近の中間連結決算では在京キー局5社で唯一、前年比で減収となったことなどが背景にあります。他方、金光修社長は会見で『比較的高齢者が多くて、若年層が少ない。逆ピラミッドになっている』ことも理由に挙げました」(経済部記者)

 だが、フジ局員からはこんな声が上がっている。

「『高齢者が多い』と言うけれど、“日枝天皇”は一向に辞めないじゃないか」

安倍元首相のゴルフ仲間でもある日枝氏

 88年に社長に就任して以来、約30年間、同社のトップに君臨してきた日枝久氏(83)。17年6月で会長を退いたが、現在も約80社を束ねるグループの代表という立場だ。フジの取締役相談役のほか、産経新聞の取締役相談役など数多くの役職を兼任している。

「ネットが台頭し、テレビ離れも進む中、日枝氏は巨額の報酬を手にし続けてきました」(前出・経済部記者)

 社長就任から6年目の93年には、後に推定2億9000万円とも報じられた豪邸を購入。約1億円のローンを組んだが、07年には完済している。また、1億円以上の役員報酬開示が義務化された10年3月期以降の有価証券報告書によれば、10年から会長を退く17年まで、日枝氏の役員報酬は1億5000万円~1億7000万円台を推移してきた。

 当の日枝氏に話を聞いた。