「0」が症状なしで「10」が一番頻度が多く症状がひどいという点数づけですが、鼻のかゆみはアレルギー性鼻炎が「8」に対しコロナは「0」、目のかゆみはアレルギー性鼻炎が「10」に対しコロナが「3」。つまり鼻と目のかゆみが出た場合は、アレルギー性鼻炎が疑われるということです。
もっともこの調査はオミクロン株をターゲットにしたものではなく、何より症状には個人差もありますから断定はできませんが、ある程度の目安にはなるかもしれません。
いずれにしても毎年花粉症に悩まされる方は、今年は早めの治療で花粉症の症状を抑え、オミクロンが疑われたときにすぐ気づくようにしておくことが大切です。
花粉症と思い込んでいても、実際は違う原因が潜んでいることも
――花粉症かなと思って受診して、万が一オミクロンだった場合、医師にうつしてしまわないかとかいろいろ考えると、受診を躊躇してしまうのですが。
平野 耳鼻科は診療中に患者さんのくしゃみの飛沫を浴びることが普段から多いため、むしろ他の科より感染防御の意識が格段に高いんですよ。ですから、そこは心配されなくて大丈夫です。ぜひ、気になる症状があれば耳鼻科を受診してください。
というのも、患者さんは花粉症と思い込んでいても、実際は違う原因が潜んでいることもあるんです。特に日本人の8割は鼻中隔という鼻の真ん中の敷居の壁が曲がっていて、この曲がり方が強いと、鼻づまり、特に片側しか通らないといった症状を引き起こします。
実際、花粉症と患者さんが思っていても、診察したら鼻中隔の曲がりが原因だったということが結構あります。これは実際に受診していただき、鼻の中の構造をチェックしないとなかなか分からないんですね。
鼻で困った症状があれば躊躇せず耳鼻科に相談を
あとはお子さんです。お子さんは花粉症の症状に慣れてしまいがちで、だんだん辛いと訴えてくれなくなるものです。でもアレルギーの子の50%が睡眠障害を持っていると言われていて、そうなると日中の集中力が落ちてしまいますし、夜間の睡眠中に出る成長ホルモンの分泌も低下します。それに不適切な薬剤を使っていると日中に眠気を誘発してしまいます。
お子さんの場合、舌下免疫療法でじっくり治療に取り組めば、アレルギーを根本的に治せる可能性もあります。夜中にお子さんがいびきをかいていないかなど様子を見てあげて、お子さん、そしてご自身ももちろん、鼻で困った症状があれば躊躇せず耳鼻科に相談してください。