爽彩さんへの『聞き取りはできていない』という不自然な一文
《上記の事案に対する学校の対応
(1)6月23日(日)、××中学校・××教頭は、当該生徒のスマートフォンのLINEを見た母親から、当該生徒がわいせつ画像を要求されたり性的な被害を受けたりした可能性があるとの相談を受けた。
(2)××中学校は、×××と連携し、××及び××と情報共有を行うとともに、関係生徒への事実確認及び指導、並びに関係生徒保護者への説明等を行った。
※学校はこれらのことを××××学校は、事実確認のための当該生徒へ聞き取りを現在のところできていない(以下略)》
9月18日付の文書では、爽彩さんは「川に飛び込み、自殺未遂をした」のではなく「川へ駆け下り」、「パニックとなり、堤防の柵を越え、ウッペツ川の川岸に下り、川に入った」とされた。注目すべきは、引用部分最後にある「学校は、事実確認のための当該生徒へ聞き取りを現在のところできていない」という一文だ。この報告書は爽彩さんへの聞き取りによるものではなく、加害生徒や教員らによる「聞き取り」を基に作成されたのだろうか。爽彩さんの遺族の代理人弁護士が語る。
「9月18日付の文書の段階では、学校は爽彩さんへの聞き取りは行っていなかったと考えています。関係者によると『川に飛び込んだ事件のあと、爽彩さんに聞き取り調査をした』という情報もあるのですが、しかし、今回の報告書にも『聞き取りはできていない』と明示されていた……。
爽彩さんはウッペツ川へ飛び込んで自殺未遂をした後に保護入院のため病院へ搬送されています。これは道教委の報告書でも、『警察官がパトカーで病院へ連れていき、緊急入院した』と記述されている通りです。ところが、学校が、緊急入院したあとに、遺族の知らぬうちに数時間に及ぶ聞き取りをしていれば、当然、記載されているはずの爽彩さんの証言がこの報告書には残っていません。しかし、母親が現場に駆け付けたことや爽彩さんが警察によって病院に連れて行かれたことなど、事件前後のことは詳細に書いてあります。爽彩さんの聞き取りの記録だけが抜け落ちるというのはとても不自然です」