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《旭川14歳少女イジメ凍死》公文書入手で判明した学校側に歪められた“イジメの真実”「なぜ市教委は被害者の聞き取りを行わなかったのか?」

《旭川14歳少女イジメ凍死》公文書入手で判明した学校側に歪められた“イジメの真実”「なぜ市教委は被害者の聞き取りを行わなかったのか?」

旭川14歳少女イジメ凍死事件 ♯27

genre : ニュース, 社会

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母親が相談した「子ども相談支援センター」との通話の記録

 その後、学校や市教委の不誠実な対応について、爽彩さんの母親は2020年1月5日に道が運営する子ども相談支援センターに電話で相談したようだ。その時の記録も今回の資料には残っていた。

1月5日の電話相談

《電話相談記録表

 

 相談者 母

 

 区分 教職員との関係

 

 主な内容 学校がイジメを認めず、対応も納得いかない

 

 1 中学1年生の娘に対するいじめは4月から始まった。暴力、お金の要求、何よりダメージが大きかったのが性的いじめ、身体を触られる、全裸・局部撮影、自慰行為強要等。これらを写真・動画によってSNSでアップされていたが、私はそのことを知らなかった

 

 2 6/22に川から飛び込み自殺未遂を図った。いじめの加害メンバーに「助けて下さい、解放してください」と懇願し、×××等と言われてのことだった。娘は、情緒不安定・自殺願望があり、10月まで入院となった(以下略)》

©️文藝春秋

「イジメとはいえない」という認識を改めなかった市教委

 抗議の電話から11日後の1月16日に、道の担当者から電話の内容について、旭川市教委の担当者に対して「事実関係の確認」が行われた。その内容は以下の通りだ。

1月16日「事実関係の確認」内容

《(1)いじめの概要について

 

 ・暴力・お金の要求についての事実はない。

 

 ・当該生徒及び母親から、6月22日までの間にいじめの訴えはない。

 

(2)6月22日飛び込み自殺未遂の件について

 

 ・当該生徒が「助けてください、解放してください。」と発言したこと、加害生徒が××××と発言したことは、確認できていないが、××中教諭による発生直後の聞き取りにおいて、「まねをされて嫌になった」と発言している(以下略)》

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 結局、市教委は学校からの報告を基に「この件はイジメとはいえない」という認識を改めぬままだったようだ。今回の報告書で、その詳細が明らかになったといえる。