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幼稚園から国立大附属、高校時代はポルシェで通学…国民的俳優の同級生だった河井案里の“知られざる学生時代”の姿

『おもちゃ 河井案里との対話』より #1

2022/02/21

source : ノンフィクション出版

genre : ニュース, 社会, 政治

note

総合政策学部を第一志望校にした理由

 案里は志望した理由を私にこう説いた。

「父は建築家なので、やっぱり政治と関連がありますよね。で、父からいろんな話を聞かされたりしてわかってきたことは、設計事務所というのはすごく政治的なところなんですよ。公共事業が多くて、いろんな政治家とつながって。まだ談合とかあるような時代だからね」

河井案里氏 ©文藝春秋

 高校生時代、宮崎市郊外の日南海岸では「シーガイア」の建設が進んでいた。世界最大級の室内プール、トム・ワトソンがデザインしたゴルフコース、43階建ての高級ホテル……。官民が一体となり、2000億円もの総事業費をかけた世紀のリゾート施設は、案里が大学に進んだ翌年の1993年に開業しながら、わずか7年半で破綻に追いやられる。

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 シーガイアは建設中からすでにバブル経済の「負の遺産」として語られていた。私は、そのことを地元の建築事情に詳しい父の暢俊に尋ねてみたが、お茶を濁された。それはきっと、暢俊も宮崎で巨額の公共事業にかかわる「政治」の一員だったからだろう。

 しかし、娘の案里には正直にネガティブな側面を教えていたようだ。

「私はシーガイアができた時、『これは失敗するだろうな』と思ってたんですけどね。父は、宮崎ってとても田舎なので、これをどうやって今でいう『活性化』をさせるかというような話を食卓でいつもしてくれてたんです。結構いろんなアイデアを持っているような面白い人で、私はそういう話を聞きながら育ったもので、自然と政策に興味が出てきましたね」

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おもちゃ 河井案里との対話 (文春e-book)

常井 健一

文藝春秋

2022年2月9日 発売

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