年上女性を、男性サイドが能動的に選んでいるとの見方もある。2021年Today調査では、9割近くの男性が10歳以上年上との交際に関心があると回答した。実際に年上女性とつきあっている男性の声としては「心理戦ばかりになる若年女性と違って疲れない」「年上パートナーは精神的、経済的にも自立していて、就労者としても先輩であるため成長できる」といった意見が挙がっている。
いまだ根強く残る「年上女性」パートナーへの偏見
ただし、そもそも男性が年上のカップルが社会的な注目を集めにくいことからもわかるように、米国社会において「年上女性」パートナーへの偏見、蔑視がなくなったわけではない。
たとえば、ミュージシャンのマシンガン・ケリーと婚約した女優ミーガン・フォックスのもとには、SNSを介して「未成年に手を出した女」とばかりに中傷が殺到しているという。しかし、この2人は35歳と31歳。ミーガンのほうが早く有名になったため誤解されがちだが、実際は4歳差しかない。
そして、セレブリティの世界において、男性側が一回り以上年上のカップルはなんら珍しくない。それなのに年上女性カップルに中傷が集まる状態は性差別的だとミーガンは主張している。
これまで以上にバッシングされているカップルは?
年上女性カップルの受容が進む中、「格差カップル」はこれまで以上にネガティブな注目を集めやすくなっている。米社会で経済格差の問題が深刻化するなかで、超富裕層と交際する女性セレブが「金目当て」として激しいバッシングを受けることが多くなってきているのだ。同時に、一般人の間では「男性が稼ぐべき」考えも根強いため、自分よりリッチな女性スターと交際する男性も「男のくせに惨め」などと侮辱されたりもする。
最新の例に、女優ジュリア・フォックスがあがる。ラッパーやデザイナーとして知られる12歳年上の億万長者、カニエ・ウェストことイェと交際を始めた彼女は「財産目当てで男に近づいた悪女」として糾弾されていった。
しかし、ジュリアは、批判に対して「私はこれまで何人もの大金持ちとデートしつづけてきた」と強気に反論。それにとどまらず、カニエと濃厚に絡み合う写真つきの雑誌連載を始めることで、ある種、中傷被害をクリエイティブ・ビジネスに転換してみせた。
セレブリティと一般人、米国と日本ではロマンス事情も異なるが、そのガッツは見習いたいところだ。