2010年ごろから始まったアイドル戦国時代。ももいろクローバーZやでんぱ組.incがブレイクするなか、変異種として誕生したBiSが話題を集めることになる。

 ソロ歌手だったプー・ルイを中心に、松隈ケンタによる楽曲提供、渡辺淳之介によるマネージメントで勢いを増していったBiSは、avex traxからメジャーデビュー、両国国技館でのワンマンライブと規模を拡大。そこにカミヤサキも加入していった。

 しかし、約1年でグループは解散。カミヤはプラニメを立ち上げ、POP、さらにはGANG PARADEと改名して理想のアイドルグループを追い求めるも、心のどこかにBiSでの後悔が残っていた。第2期BiSが結成されると、カミヤはレンタルトレードという形で加入。過去の自分と向き合うことになるのだった。

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――GANG PARADEでは、MV『FOUL』でカミヤさんがバリカンを入れて丸坊主になったことも話題になりました。

カミヤ MV撮影前に渡辺(淳之介)さんから電話がきて、なぜかその時点で察したんですけど(笑)、「坊主にしてくれない?」と言われたんです。私は「やっぱりそうですか。いいですよ」と二つ返事で引き受けました。

©川しまゆうこ

 当時のギャンパレはメンバーが3人加入して再スタートを切った時期だったので、「ここでかまさなくてどうする」と思ってました。「自分ができることはなんでもやりたい」という気持ちと、渡辺さんが仕掛けるタイミングがピッタリ合って丸刈りになったんです。

――そうするうちに、カミヤさんの所属していた、渡辺さん率いる音楽プロダクションのWACKには所属グループが増えて、「BiSをもう一度始める」と新しくBiSHが始動します。

カミヤ アイナ(・ジ・エンド)に「申し訳ない」と謝ったこともあるんですけど、最初は本当に嫌でした。私はBiSが本当に好きなので、「BiSをもう一度始める」とBiSHを結成する段階から、自分の好きなモノを取られてしまう感覚になったんです。

 アイナの声も(セントチヒロ・)チッチの声も最初から好きだったけど、認めることができなかった。自分の弱さだったと思います。そんな嫉妬から好きになれなかったけど、曲を聴いたら「これ、売れるじゃん!」って(笑)。