「『やめるべきかもしれない』という考えが頭をよぎった時は、自分でもビックリしました」
――ファンとしてアイドルを見ていた時から、アイドルは「期限付き」と思ってましたか?
カミヤ アイドルをやってみて、そう思いました。プー・ルイが2期BiSをやめた時は「なんでやめるの⁉」と思って、渡辺さんにも「なんでやめるのかわかりません! 私はやめません!」と言ったんです。アイドルじゃない自分が想像できなかったし、ずっとWACKにいると思ってましたから。「やめるべきかもしれない」という考えが頭をよぎった時は、自分でもビックリしました。
――WACKをやめる前提でのグループ脱退だったんですか?
カミヤ 渡辺さんに脱退することを報告した時に「WACKもやめます」と伝えました。自分が作ったグループを自分からやめて、それでも「WACKにいさせてください」という、甘い蜜だけ吸うようなことは違うだろうと思ったんです。フリーランスで活動して、将来的に成長したらWACKと仕事をしたいなって。それが明るい未来だと思ったんです。
「自分が作った振り付けで踊ってることに感動したんです」
――脱退した時には振り付け師としてやっていこうと思ったんですか?
カミヤ 初めてギャンパレを客観的に見た時、自分が作った振り付けで踊ってることに感動したんです。自分が作った振り付けが、メンバーたちによる表現でひとつの作品になって、それを楽しんでくれるお客さんたちがいる。そのことにグッときました。その経験が忘れられなくて、振り付けを仕事にしたいと思ったんです。
――振り付け師になって、アイドル時代とは違う気持ちが去来することはありますか?
カミヤ ずっとステージに立って表現していたので、作ることで表現するだけでは満足できない、心の中で蠢いたものがあって。この気持ちを放出しないと死んでしまうかもしれない(笑)。
例えばプー・ルイがいるPIGGSなんかは、そんな自分のリアルな感情も振りに落とし込めて、メンバーも自分の色に染めてくれるんですけど、それでも満たされない時が訪れるんです。すごく苦しい。でも表現するうえで、心の中に蠢いているモノは必要だと思うので、どこか安心している自分もいます。