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「俺の知ってるカミヤは優しくなれる人間だった」

――アイナさんからカミヤさんに相談していたこともあったそうですが。

カミヤ それは私がBiSHを好きになってからだと思います(笑)。私の気持ちが変わったきっかけがあって。お世話になっていたスタッフの方に「俺の知ってるカミヤは、メンバーや後輩のことを思って優しくなれる人間だった」と言われて目が覚めたんです。

「確かにいまの私は自分らしくないな、BiSHのことを好きになろう」と切り替えようと、それまではBiSHのライブを観ても粗探しをしていたけど、いいところだけを観るようにしたら「めっちゃカッコいい!」「私もこんなふうにできたらいいな」と思えるようになったんです。それからは「BiSHのメンバーともコミュニケーションをとりたい」と気持ちが変わりました。

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©川しまゆうこ

――カミヤさんが考えるBiSとBiSHの違いは?

カミヤ BiSは巨大カルト集団というか(笑)、限りなくメジャーに近いアングラだったと思うんです。それでは限界があると悟った渡辺さんが作ったのがBiSHで、BiSのいいところは残しつつ、反省点を修正したグループなのかなと。BiSの存在があったからBiSHがいることは間違いないので、その誇りは持っていていいと思ってます。

――ギャンパレから第2期BiSにレンタルトレードされましたが、そのことでBiSの呪縛から解放されましたか?

カミヤ BiSで心残りだったことを、2回目のBiSでは全部やろうと決めて挑みました。

 最初のBiSであんなに貴重な経験をさせてもらったのに、楽しいことだけを求めていたから、「美しい記憶」と「普通がわからなくなった感覚」しか残らなかった。2期BiSでは、その後悔を晴らすことができた自信があります。

©川しまゆうこ

 当時のプー・ルイやウイポン(ファーストサマーウイカ)が担っていた苦しい部分と私も向き合って、BiSのプライドを持ってライブをしていました。そのプライドには「BiSHに勝たなきゃいけない」という気持ちもあって。王者としての信念を抱いて活動してきたので、よりBiSのことが好きになっちゃいました(笑)。

 2期BiSが始まった時は、BiSのことも嫌いになっていたんです。でも、いざ2期BiSの中に飛び込んだら呪縛が解けて、「好きなモノは好き」と認めていいんだって思えたんです。BiSを遠ざけるんじゃなく、ギュッと抱きしめたら愛することができた。BiSも「やっと気づいてくれたんだね」と微笑んでくれた気がします(笑)。