2月11日現在、オミクロン株が支配的となっている国・地域から日本へ帰国(入国)する人に対して、宿泊施設で待機することが定められている。渡航先の国によって、3日間、6日間、10日間の隔離措置が設けられ、その後、自宅などで待機をする流れとなる。

「隔離ガチャ」という言葉がある。滞在し隔離される宿泊施設によって、部屋のサイズや朝昼晩の食事、ないしは設備も変わってくる。到着するまで、自分がどんな施設を引くのかわからない。ゆえに、「隔離ガチャ」。

 前編では、筆者のガチャ体験を一部紹介した。筆者が入所した宿泊施設は無機質な税務大学校の寮、同行した知人は部屋や食事が少し豪華なビジネスホテル。なぜこのような違いが生じるのか。深く潜った先に見えたのは――。(全2回の後編/前編を読む

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 それにしても気になるのは、A氏の滞在先(アパホテルの広めツインルーム)である。お互い陰性だというのに、どうしてここまで変わるのか。帰国時、各種質問対応があることは記した。健康状態のほか、喫煙習慣や宗教による食事規制の有無などを聞かれる。そこに秘密があるのではないだろうか。そこで、A氏に「どんな回答をしたのか」と聞いてみた。すると、彼は「喫煙」に〇をしていたことがわかった。

A氏が滞在したアパホテルの広めツインルーム(左)と筆者が滞在した税務大学校の寮の一室

 

 たしかに、税務大学校は禁煙であるがゆえ(火災報知機が鳴ってしまう)、喫煙を希望する帰国者は、寮のような施設には入れないだろう。回答次第で、宿泊施設が変わることは十分考えられる。そういえば、「宗教(ハラルフードが必要な方など)」といった質問項目もあった。ハラルフードが必要な方は、ホテルなど調理が可能な宿泊施設が必須となる。持病がある人などは部屋のサイズが変わってくる可能性だってあるだろう。

 また、ネットで検索すると、「単身者とファミリーでは宿泊先に違いが生じる」などの本当か嘘かわからない情報も散見した。ともすれば、回答次第で隔離先の施設を選択することも可能になってしまうのではないか?

隔離ガチャについて、厚労省に聞いてみた

 こうした素朴な疑問を、施設隔離後、厚生労働省検疫所業務課へ尋ねると――。

「たしかに、回答によって滞在先が変わることもあります。SNSで(そういった情報が)出るのではないかという噂も聞いたことはあります」

 厚労省としても、答えづらいだろう。