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空港で解散後、ようやく家路へ…そこで抱いた違和感

 施設隔離後、帰国者は再び帰国した空港へとバスで移動する。振り出しに戻った後、公共交通機関を避けて帰路に着かねばならない。わざわざ戻るからには、何か手続きのようなものがあるのかと思っていた。しかし、空港へ到着し荷物を受け取るや、即解散となる。1分もすれば、これから出発する人たちと同化し、誰が隔離後の帰国者なのか判別できなくなる。

バスで再び成田空港に戻り、即解散

 筆者は、スカイライナーの帰国者専用車両を経て、京成上野駅(地下駐車場)からハイヤーに乗車し、家路へと向かった。その最中、運転手から次のようなことを教えてもらった。

「12月の時点では、和光は“当たり”の部類だったと聞きます。というのも、隔離期間が長かったこともあり、ビジネスホテルのシングルはキツいと嘆く方が多かったんですよ。寮の方が若干広く、窓が開くため、閉塞感が少ないから良いと。ですから、ビジネスホテルのツインやダブルは大当たり。また、ホテルは外国人の方が多いため、チェックインに数時間かかることも珍しくなかったそうです」

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 去る12月28日。帰国者への措置が、「前後2列を含めた計5列の乗客を濃厚接触者とする」と見直された。それ以前は、「オミクロン株の感染者と同じ航空機に乗っていた乗客全員を濃厚接触者と認定する」扱いだった。

 つまり、当初3日間の施設隔離期間だった帰国者が、滞在2日目に「同乗者の中にオミクロン株の陽性者が発覚」すれば、搭乗者全員の隔離が問答無用で14日間に延長される措置が取られていた。「アメリカから帰国された方が、まさにその例でした。3日の予定が、オミクロンの陽性者が発覚し14日になったそうで、シングルでの隔離を余儀なくされ、疲弊しきっていました」とは、前出のハイヤー運転手の弁だ。

 方針、状況、立場によって、ホテルが当たりの人もいれば、寮が当たりの人もいる。隔離ガチャに絶対的な当たりはないのかもしれない。だが、ガチャと揶揄されている現状が広がっている。

 ある者は万全の状態で、ある者は疲弊した状態で――。ガチャを体験した帰国者たちは、再び空港に戻り、帰路につく。