メッセージの内容は…
LINEでのメッセージは以下のようなものだった。
〈前の日に謝罪の電話させて、次の日に逮捕? おかしいやろ。俺は生活保護だから裁判してみたら? 2ちゃんねるとか、妹にお願いする。引っ越しの費用や車の買い替え、携帯の買い替え、最後になって弁護士を入れて気持ち良くないわ。雑誌にも妹と(原文ママ)に連絡してもらう。けちな人だわ。〉
返事を待っていたのだろうか。十四分後にまた入った。
〈ヤフーパートナー頑張ってねー〉
さらに十五分後。
〈(笑)(笑)(笑)〉
そして七分後。
〈さっそく連絡した(笑)〉
ここでその日の連絡は終わった。
返事をするつもりは全くなかった。返事をしたらまた延々と続く不愉快なメッセージ攻撃が始まるのは分かりきっているからだ。絶対に挑発に乗ってはいけない。深呼吸を繰り返した。
やっぱりAはいまだに怒っている。自分がやったことをまるごと棚に上げて。深々と絶望しながらも、一方でなるほどと納得する気持ちもあった。謝罪してからの逮捕が気に喰わないのだ。だから示談のときに、逮捕に至ったいきさつを双方の弁護士を交えて、Aに説明したほうがいいのではと私は提案したのに。
Aが謝罪の意を表したのは事実だ。そしてその後に逮捕されている。ただしこれにはそうせざるを得なかった事情があるってのに。
私が直接会えばAは激高、混乱するからと、話し合いの場は作ってもらえなかった。今、思い返してみれば、私自身がいきさつを話したところで、きっと納得しなかっただろう。
仮にその場で奇跡的に納得したとしても、結局は後からなんらかの言いがかりをつけてつきまとってきたと思う。Aはそういう人間である。まともな話し合いが通じる相手ではない。しかし当時としては、とにかく相手の怒りの感情を増幅させずに、ちゃんと話せば納得してもらえたはず、と思い込んでいた。
ただし、示談違反をしていることは、一応は理解しているようだ。そのうえで、生活保護を受けているから、裁判を起こしても無駄だという。はあ?