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目の前のアイスは世界に、五輪に繋がっている

――氷上、カーリング界に関してはどんな変化がありましたか?

本橋 私に近い場所から言うと、常呂でいつも練習試合をしてもらっているドラゴンという男子のチームがあるのですが、彼らの目の色が変わったのは想像していない喜びでした。

――昨年の日本選手権で初出場ながらファイナルまで駆け上がった常呂ジュニアですね。それはロコ・ソラーレがメダルを獲ってからですか?

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本橋 そうですね。目の前のアイスが世界に、五輪に繋がっているということを現実的に示せたのだと思います。彼らだけではありませんが、まずここで勝って、次にあそこで勝てば……という道のりが具体的になった。それはちょっと予想してなかった銅メダル効果でした。

3位決定戦で劇的な勝利を収め、喜びの涙を見せたロコ・ソラーレのメンバーたち ©️JMPA

チーム「ロコ・ステラ」の結成

――本橋さん自身も、ロコ・ステラという育成に重心を置いたチームを結成しました。

本橋 私がチーム青森にいた頃から考えていたことなのですが、今の日本のカーリング界では学生生活を終えた時、カーリングを続けたくても続けられない選手があまりにも多くて。それが可能なのは、ジュニアで結果が出た一部の選手だけ。競技の底上げを考えると手詰まりになってしまう。そういう危機感がありました。だから、ステラの結成はソラーレが結果を出したのと同じくらい私にとっては重要なことでした。

――昨季は本橋さんも選手として復帰し、北海道選手権準優勝。今季は3位と、徐々に結果も出てきました。

本橋 いえいえ、選手としてアイスに立つと、どちらも悔しさのほうが大きいです。ただ、その一方でジュニアを含め、札幌や北見に続いて帯広、名寄、稚内といった全道からいいチーム、上手な選手が出てきたことを実感しています。北海道の底上げに少し貢献できたなら嬉しいですね。

ロコ・ステラの選手として現役復帰を果たした ©️どうぎんカーリングクラシック2021

――選手に復帰して、改めて今のロコ・ソラーレを分析すると、どこに強みがあるチームですか?

本橋 技術的なものは世界のトップに行くと、そこまで大きな開きはありません。その上で「世界で勝ちたい!」と思い続ける、ゆるぎのないモチベーション、重要な大会や試合に身体と心のピークをしっかり合わせられる思考、あとはなんといっても集中力がすごいですね。

――モチベーション、ピーキング、集中力はどうやって養ったものでしょうか。

本橋 モチベーションはもともとそれぞれの選手が持っていたものですが、世界のトップで何度も悔しい思いをしているので途切れないのではないかと思います。ピーキングも同様に、負けから逆算して考えるとおのずと上手になっているのかな。集中力についてはJDコーチが養ってくれている部分が大きいですね。