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怒ると怖いナショナルコーチのジェームス・ダグラス・リンド氏

――ナショナルコーチのジェームス・ダグラス・リンドさんですね。

本橋 そういえばJDも、この4年で夫から父になるという大きな変化がありました。そのJDですが、集中してゲームに入っていないと、すごい怒ります。

――いつもニコニコしているナイスガイなので、あんまり想像できませんが……。

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本橋 基本的にはそうです。声を荒げるようなことはありません。でも考えてプレーしていない時、チームや相手のことを思いやれない時、やるべきことをしなかった時は、静かな口調ではありますが、すごい怒っています。あれは怖いです。

――カナダ遠征中とかの話ですか?

本橋 そうですね。長期間の遠征中はどうしても慣れや緩みが出やすいので、だいたいそういう時にJDのカミナリが落ちます。でも、チームを育成する立場になって思ったのですが、ひょっとして彼は計画的に怒っていたのかもしれません。遠征中どこかのタイミングでチームを引き締めるという意図を持っていた可能性はあります。コロナ禍でオンラインでしかJDには会えていないので、会えたらこっそり聞いてみたいと思っています。

「日本選手権を関東近郊で開催したいよね」

――ロコ・ソラーレ、ステラのチーム運営をする一方で、本橋さんは平昌五輪以後、日本カーリング協会で発足したマーケティング委員会の一員として活動しています。

本橋 これまで広報や普及はすべて協会事務局の担当でしたが、事務局は事務処理だけで本当に大変なので、広報的な部分で別部署を立ち上げて、競技PRと共に資金調達を担うことにしました。

ロコ・ソラーレの代表理事、ロコ・ステラの選手、日本カーリング協会のマーケティング委員と一人三役をこなす ©️佐藤亘/文藝春秋

――その目玉として、日本選手権の首都圏開催計画がありました。

本橋 マーケティング委員会は公式には2016年から活動しているのですが、当時は日本選手権などのチケット販売業務が主でした。平昌五輪前から「日本選手権を関東近郊で、できればアリーナサイズの会場でお客さんを入れて開催したいよね」と東京協会(当時)の岩永直樹さんや現マーケティング委員会委員長の日下稔さんと相談、計画をして準備はしていました。具体的に動き出したのが2018年の夏あたりでしたね。

――その甲斐あって、2021年の日本選手権を「KOSE新横浜スケートセンター」で開催が決定しましたが、新型コロナウイルスの影響で会場変更に……。

本橋 誰も悪くないので仕方ないですけれど、本当に残念でした。それでも横浜のような国際都市が賛同してくれたのは本当に嬉しかったですし、心強かったです。近い将来にまた開催できるようにリスタートしているので期待していてください。

――マーケティング委員は五輪に向けて岩永さんを中心に、動画配信などで北京五輪前から積極的に活動しています。

本橋 私も出演しましたが、楽しかったです。トップ選手も協力してくれているので、ぜひ「#カーリング沼」というハッシュタグで検索、視聴、拡散していただければ嬉しいです。