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「生活保護があるから、まあいいか」最高月収450万円の高級ホステスから“中年パパ活女子”になった女性が明かした“意外な生活事情”とは

『日本のタブー3.0』より #2

2022/03/03
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夫からの経済的虐待

 希美さんの家庭はデータに載る貧困ではなかった。旦那の月収は手取り35万円ほど。格安の都営団地暮らしで家賃は桁違いに安い。一般的な収入はあるが、旦那は趣味がパチスロで、とにかく生活費を出したがらないという事情だった。

「お金がないから当然、何も買えない。今は旦那が携帯代を払ってくれなくて、コロナだから支払い延長できるじゃないですか。それでやっと使っている状態。旦那はケチだからパートとかバイトをやったら、お金あるでしょって生活費は一切出さなくなるはず。携帯代も食費も出してもらえなくなる。お前のお金で買えって。どうしてケチなのかわからないけど、パチスロができなくなるのが怖いからかも」

 夫は生活費をかたくなに妻に預けることなく、必要な食品や生活必需品は夫が自分で買い物をしている。希美さんに回ってくるお金はゼロで、この1年間は実家や夫の母親から数千円のお小遣いをもらってしのいでいる。

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「この子(雄星くん)のできちゃった結婚。十代からの知り合い。オタク仲間。コミックマーケットってあって、私は本を出していたほうで、旦那はスタッフ。知り合っている期間は長いけど、付き合ってなかった。セフレ。今の旦那と付き合うために前の旦那と離婚した」

パパ活で離婚費用を貯めたい

 豊洲のキャナリーゼと希美さん一家は格差がある。家賃にして10倍、夫がほとんどパチスロに消費するので実質賃金も10倍以上だろう。幼稚園はキャナリーゼ子弟と都営団地の子どもが一緒という。どんな状況なのか。

「保育園、幼稚園も小学校も一緒。幼稚園のママ友さんは普通に遊んでるけど、ほとんどお金持ち。都営団地のほうが少ないかな。でも、実際はママ友でも、共働きで分譲を買ってやっとみたいな人も多い。向こうは家賃とか返済があるから、生活水準はそんな変わらないかも」

 希美さんは格差を楽観視していたが、現状、夫との生活は厳しい。夫は経済的虐待をやめる気配はなく、だいぶ前から暴力も振るわれている。いつでも団地から逃げられるように離婚費用を貯めたいのも、これからパパ活をする目的だ。

写真はイメージです ©iStock.com

「仮に本番するなら1万2000円は最低欲しいかな。携帯代が1カ月分払えるから。20代前半の頃に援助交際してて、もらっていたのが2万円とか3万円だから、今の年齢考えると半分くらいかなって。全盛期の半分はもらってもいいでしょって。20 年前は5万円出してくれた人もいたけど、もう先月で40歳だから」