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「生活保護があるから、まあいいか」最高月収450万円の高級ホステスから“中年パパ活女子”になった女性が明かした“意外な生活事情”とは

『日本のタブー3.0』より #2

2022/03/03
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 45歳、就労支援センターでエクセルを覚えて会社の事務のパートに就いた。10 年間続けたがコロナ禍で営業所が閉鎖、先日無職になっている。

「で、チャットレディ―とパパ活。パパ活アプリでパパを探しまくってる。本当はエッチで3万円欲しいけど、55歳だから1万5000円以上は誰も払ってくれない。生活保護費があるから、まあいいかって1万5000円でやっています。だから、パパ活とチャットレディ―、生活保護のトリプルワーク。パパ活は売春なので、役所に収入報告はしてないかな」

 美恵さんは「自分は本当に運があるし、ラッキー」と笑っていた。

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写真はイメージです ©iStock.com

すべてを捧げても最低限の生活もできない

 中年パパ活女子の話を聞いて、パパ活の全体像が見えてきた。

 勝ち組中年男性はお金を支払うことを条件に、若い女子たちに求愛する。コロナで女性が激増したパパ活市場の男女の比率は2対8、3対7といわれている。中年女性は仕事をしたくてもコロナで求人はなく、あっても採用されず、採用されても最低賃金で自立して生きていけない。パパ活という救済策を耳にして、肉体のすべてを捧げるつもりで数歳上から同年代の勝ち組パパ活男性たちにSOSを発信しても、その声はなかったものとしてスルーされる。

 勝ち組男性たちは自分の娘以下の年齢の女子たちの尻を徹底的に追い回し、40歳を超える中年パパ活女子には声がかからない。中年の彼女たちが余っていることを発見した中流以下の質の悪い男性たちが足元を見て、限界まで値切っているという状況だった。

 日本の物価や生活費とデートの手間を考えて、肉体関係になって1万5000円以下は安い。すべてを捧げても最低限の生活もできない価格である。生まれてからずっと続く男性優位社会のなかで、家事や育児を押し付けられた中年女性たちは、働いても最低限の生活もできず、夫に虐待され、社会からも見放され、最後の砦としてパパ活をしようと思っても、誰もまともに相手にされない。

 日本の男性たちは総じて、女性は若ければ若いほどいいという女性観を持っている。今、勝ち組男性たちに高額で買われている若い女性たちも、15年後は中年パパ活女子たちと同じように貧乏で悪質な男性たちに買い叩かれ、どこにも自立して生きていく道がないという苦境に追い込まれることになる。

 高額学費で追いつめられて、望まない中年男性との恋愛やセックスの後は、誰からも相手にされない、誰も助けてくれない貧困と孤立が待っているのだ。

【前編を読む】“ネット番長はヤクザとして恥ずかしい”…それでも暴力団組員が「SNS」を駆使した“情報攪乱”を続けるワケ

日本のタブー3.0 (宝島社新書)

望月衣塑子 ,鈴木智彦 ,西﨑伸彦 ,鳥集徹 ,ほか

宝島社

2022年1月8日 発売

「生活保護があるから、まあいいか」最高月収450万円の高級ホステスから“中年パパ活女子”になった女性が明かした“意外な生活事情”とは

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