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「生活保護があるから、まあいいか」最高月収450万円の高級ホステスから“中年パパ活女子”になった女性が明かした“意外な生活事情”とは

『日本のタブー3.0』より #2

2022/03/03
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大量の睡眠薬を飲んで自殺未遂

 当時、銀座一丁目の家賃26万円のマンションに住んでいた。昼に起きて近くのフレンチかイタリアンでランチ。化粧をして家を出る。歩いて新橋の美容室に行き、髪の毛をセットし、着物を着付け、銀座八丁目の店に出勤する。そんな日々だった。

「ちゃんと美容室でセットして着物で行っても居場所がない。座る席がないの。お客さんは来ない、席にもつけてもらえない。お客さん来ない時は待機じゃなくて家に帰ってって。店に来るなってことだよね。打開策は何もなし。追い込まれると人間って鬱になるじゃないですか。どんどん悪い方向に考えて」

 最も思い詰めた時は、家で首を吊ろうとロープを買った。結局、大量の睡眠薬を飲んで自殺未遂した。

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「大量にクスリを集めて飲んだ。精神状態もおかしくて、いつも死のうと思っていた。でも、死ぬのは怖い。助かっちゃいました。それから、仕事も行ったり行けなかったりで、毎日店に電話するのも面倒くさくなってボロボロ。お客さんいないから、声かけられると気軽に寝ちゃうみたいな感じになって。いろんな人にヤリ捨てられて、もっと泥沼になるみたいな」

43歳で無一文、月20万円で愛人契約

 銀座の高級ホステスは高収入だ。美恵さんは26歳から11年間は年間1500万~2500万円くらいは稼いでいた。でも、貯金はなかった。昼職で働こうと思っても、ホステスしかしたことない。何もできない。

「26万円は払えないから12万円の部屋に引っ越した。でも、銀座にしがみついた。最後の3年間は本当に惨め。お客さんを自分で呼んで、自分でお金を払うみたいな。タコの足状態」

 そんなことを続けて、最終的にまったくお金がなくなったという。43歳、無一文の状態で銀座から消えた。

「ずっと銀座で働いていたから、知り合いはいるわけ。すぐに、知る限りの男性に連絡して最終的に引っかかったのが大手出版社の役員。その人はお店のお客さんで、役職は専務だった。偉い人なのに女の子が全然狙わなかったので、うちに来ない?って誘ってエッチ。ロックオンって感じで毎月20 万円をくれるようになった」

 出版社の役員から月20万円をもらいながら、就労支援センターで職業訓練。役員はセックスすれば何とかなったので、頻繁に誘って痴女プレーみたいなことをしてつなぎとめた。

「1年間くらい付き合って、別れた。本当に何もなくなって家賃が払えないどころか、食べ物にも困るようになった。福祉事務所に行って、生活保護くださいって頼んだ。家賃12万円って言ったら追い返されそうになったので、暴れて、暴れまくって精神病院に連れて行かされて。病院経由で生活保護を受けることができました。1万7000円の団地も抽選で当たって、本当にラッキーだった」

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