いつまでもホームにいても寒くてたまらないので…
いつまでもホームにいても寒くてたまらないので、階段を登って橋上駅舎のコンコースに出る。青森駅は昨年リニューアルしたばかりで、現在は5代目の駅舎を使っているという。
確かに構内はピカピカ新築の香り。ついこの間も南国は長崎駅を訪れたが、あちらもできたての新築だったので、なんだか新築駅ばかりを歩いているような気がしてくる。
そして長崎駅と同じく青森駅も、駅舎はリニューアルされても駅前広場やそこに向かう道筋はまだまだ工事中。そんなわけで、これまたお決まりのように工事の仮囲いの中を歩いて外に向かう。
駅前に出て、駅の方を振り返ってみると、以前の駅舎があったところは仮囲いで囲われていてもぬけの殻。その奥に新駅舎があるのだが、距離のおかげか仮囲いのせいか、それともぜんぶ雪のせいなのか、新しい駅舎はよく見えない。
たとえば自宅を建て替える場合、ひとまず仮住まいに引っ越して家を壊し、改めて同じ場所に新築の家を建てる。ところが、駅舎の場合は駅としての機能を維持し続けたまま建て替えなければならないので、こうしたことになってしまうのだろう。
近いうちに仮囲いも取っ払われて新しい駅舎が堂々と町に姿をさらすのだと思うが、せっかく本州最北までやってきたのにこれじゃあちょっとさみしい。青森駅よ、顔を見せてください。
「そういえば青森といえばリンゴだ」
そんなことを言ってもしょうがないので、少し広場を歩く。駅舎(があった場所)の横にはラビナという駅ビルがある。今は駅とちょっと離れてしまっているので駅ビルというにはちょっと微妙だが、いちおう駅舎の脇にあるのだから駅ビルだ。中はよくある駅ビルのそれで、土産物店やアパレル店、書店、軽い飲食店などが入っている。
駅前のバス乗り場を取り囲むようにしていくつかのビジネスホテルが建ち、その合間にはリンゴを路上に置いて売っている店もある。そういえば青森といえばリンゴだ。リンゴといえば青森と言い換えてもいい。
青森市はリンゴの出荷量で全国3位(青森県全体ではもちろん全国シェアの半分以上を占める1位だ)というから、港町であると同時にリンゴの町なのだ。