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帰宅時間、雪国のターミナルは…

 しかし、2010年に東北新幹線が新青森駅まで延伸すると、青函トンネル方面への乗り継ぎという役割は新青森駅に取って代わられ、さらに2016年に北海道新幹線が開通すると青森という町はまるごと通過するだけで北海道に渡ることができるようになってしまった。

 そうした文脈でみると、北海道への旅の起点となるターミナルとして栄えた青森駅は、長らく担ってきた役割を失ってしまったといっていい。連絡船時代を知る駅舎が真新しい橋上駅舎に変わったのも、そうした時代の移り変わりの中でのできごとなのだ。

 

 雪の吹き付ける八甲田丸を眺め、埠頭の方まで歩こうかとも思ったが雪に不慣れな東京人がこんなところで遭難しても笑いものにもならないので、青森駅に戻った。青森駅から東京に戻るには、いったんJR奥羽本線に乗って新青森駅まで行かねばならぬ。

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 ホームに待っていた電車に乗ると、ちょうど帰宅ラッシュの時間帯。会社帰りの人たちや学校帰りの学生で車内はだいぶ混雑していた。雪国、青森のターミナル。北海道連絡の要衝という役割は失っても、県都・青森の玄関口としては、いまも大いに存在感を示しているのだ。

写真=鼠入昌史

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