イギリス戦は平昌の銅メダルマッチの再戦
ラウンドロビン(総当たり戦)は残り5試合。14日の月曜日は、朝に地元・中国(このチームは謎が多い)、夜に「メガネ先輩」ことキム・ウンジョンがスキップを務める韓国と対戦する。準決勝進出を考えた場合、この2試合をモノにしておくと、その後の展開がかなり楽になるだろう。
そして私が心待ちにしているのが火曜日の午後に行われるイギリス戦だ。前回の平昌大会での銅メダルマッチの再戦である。
イギリスのスキップはバンクーバー大会から出場しているイブ・ミュアヘッド。2014年ソチ大会の銅メダリストでもある。カーリング一家に育ち、かつては才能あふれるゴルファーでもあった。今大会、開会式ではイギリスの旗手を務めた、イギリス、というよりはスコットランドの「顔」である(彼女はスコットランドの楽器であるバグパイプも得意)。
前回の銅メダルマッチの最終エンド、藤澤のショットは100パーセントではなく、ミュアヘッドにチャンスを残した。これを決めればイギリスが銅――人生をかけた一投をミュアヘッドはミス、日本が銅メダルを手にした。私はこの試合を「悪女の誘惑」という原稿にしたためたが、藤澤がラストに難しい状況を演出したところに勝因があった。
歓喜と落胆から4年、ミュアヘッドは日本を許さないだろう。そしてまた、藤澤も相手のミスを許さないはずだ。
カーリングは年齢に関係なく楽しめる競技であり、国際大会に出場してくるチームは限られているから、チーム間のライバル関係、ストーリーが受け継がれ、因縁が紡がれていく。
どうやら今大会の鍵は「許してくれない藤澤五月」になりそうだ。
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