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──そうでしたか。長さなどのこだわりは?

片岡 1㎝以上伸ばすと老けて見えるんです。そしたら、髭トリマーという道具を教えてもらって。いろいろ試して、私にとってはベストの長さが5、6mmですね。ある程度髭のボリュームがありつつ、重すぎず、清潔感が保てる長さかなと思っています。

──なるほど。髭のスタイルで参考にしているものは?

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片岡 ファッション誌が好きで、『Safari』や『BRUTUS』をよく見るんですよ。するとね、髭のあるモデルはほぼ20、30代の外国人。彼らの髭は計算し尽くされていて、締まったフェイスラインに髭があるので、とてもいいシャドウがかかって、骨格の美しさが際立つ。「あ、これかぁ!」と思いました。

芸人で初めて、衣装にスタイリストをつけた

──実は鶴太郎さん、かなりのファッショニスタですよね。松村邦洋さんが「鶴太郎さんは若い頃から芸人仲間で飲みに行くときも、一旦帰宅してスーツに着替えていた」と。

片岡 洋服は、昔から大好きなんですよ。お笑いタレントで自分の衣装にスタイリストをつけたのは、おそらく私が一番早かったと思います。

©文藝春秋 撮影/松本輝一

──鶴太郎さんがテレビに出始めたのは80年代初期ですよね。その頃は、スタイリストをつける芸能人は少なかった?

片岡 当時はまだ、スタイリストという職種が知られていない頃でした。その草分け的存在として、『POPEYE』編集部で修行して独立した大久保篤志さんがいて、彼と「面白いことをやっていこう」と組んで。そのあたりから、芸能界でスタイリストをつけて、番組用に衣装をコーディネートする習慣が広まったような気がします。それくらい、ファッションが好きです。