お互いに頼れる「弱さの共有」
――女性言葉だと「はいたい」ですしね。また、藤澤選手はラウンドロビン最終戦のスイス戦でミスが重なってしまい、7エンドに「そろそろ決めたい」と本音を口にしていました。ああいう弱気な部分を世界中に吐露することはよくあるんですか?
両角 人にもよるとは思いますが、基本的には珍しいですね。でも続く知那美選手の「時間あるから大丈夫だよ。ゆっくり投げて」という声かけからもわかるように、それを言えるチーム状況だったと僕は解釈しました。「弱さの共有」という表現をしていましたけれど、お互いに頼れるコミュニケーションが取れていたんだと思います。しっかりとその“そろそろ”を決めて、その試合は負けたけれどいいイメージを準決勝につなげましたね。
――藤澤選手のオフアイスはどういう人なんですか?
両角 みんな言いますけど、負けず嫌いです。でもそれを表に出しても納得するくらい努力を重ねている努力家ですから、尊敬されるのだとは思います。あとはちゃんと他人に興味を持てて、人の話をしっかり聞ける人ですね。そういうところもカーリングに活きているのかもしれません。
パラリンピックの見所
――ありがとうございました。引き続き、ロコ・ソラーレのみなさんと共にカーリング界を盛り上げてください。
両角 頑張ります。最後にひとつだけ。3月4日からパラリンピックがはじまります。オリンピックと同じくらい楽しみで、同じくらい見所があります。
すごい努力を続けているアスリートも多く、個人的にはアルペンスキーの村岡桃佳選手に期待しています。平昌大会で金メダル1つ、銀2つ、銅2つを獲得しただけでなく、昨年の東京パラの陸上でも女子100mで6位に入賞したスーパーアスリートです。彼女の記事が読みたいのでメディアのみなさんにも引き続き、期待しています。
また、車椅子カーリングには残念ながら日本は今回出場できませんが、とても可能性のある競技なのでロコ・ソラーレ同様、応援をよろしくお願いします。
両角公佑(もろずみ・こうすけ)
1988年長野県軽井沢町出身。11歳でカーリングをはじめる。兄・友佑らとSC軽井沢クラブでプレーし、日本選手権5連覇を達成するなど男子カーリングを牽引してきた。2018年に平昌五輪に出場。2019年からは新たに結成したTM軽井沢でプレーしている。ANAビジネスソリューション株式会社勤務。趣味はホームセンター巡り、特技は収納スペースの増設。
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