きょう2月23日は、シンガーソングライターの中島みゆきの誕生日である。年齢をほとんど感じさせない人だけに、今年で70歳を迎えたということに驚かされる。
彼女の代表曲のひとつに「空と君のあいだに」がある。いまから28年前、1994年に放送されたドラマ『家なき子』の主題歌としてつくられ、大ヒットしたナンバーだ。この曲ができるまでにはこんなエピソードが残っている。
「自作の解説」が嫌いな理由は…
中島が主題歌の依頼をテレビ局から受けたとき、決まっていたのは、当時子役だった安達祐実が主演で、彼女が犬を連れているということぐらいだった。曲を書くとなると拠り所は犬以外なく、そこで「犬は最終回まで必ず出ますよね?」と局側に確認した上で、犬の立場で書くことにしたという。
犬の目線からすれば空は高い。ここから「空と君とのあいだには 今日も冷たい雨が降る」という、あの印象深いフレーズが生まれたのだった。もっとも、中島に言わせると《犬はもちろん取っ掛かりであって、実際に書く時は人間の立場じゃなきゃ無理ですから、(引用者注:歌詞に出てくる)僕=犬ではないんですけどね》とのことだが(※1)。
これはいままでに何度か本人がインタビューや対談で語っており、ファンのあいだではわりと有名な話かと思う。ただし、中島みゆきは自分の作品を解説することがあまりないだけに、こうしたケースは珍しい。かつて中島は著書で、自作を解説するのは嫌いだと書き、その理由を次のように彼女ならではのたとえ方で説明していた。