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「『ジャベリン』というアメリカ製の対戦車ミサイルがあるから問題ありません」

――反響はいかがでしたか。

 1万1000件のいいねと3000件近いリツイートが付きました。12か国に拡散され、ミリタリー雑誌にも掲載されました(笑)。コメントもたくさんいただきました。

「あなたの姿から武士道を感じた」という日本の方からのコメントが嬉しかったですね。一方、ロシア人からはTwitterで「刀ではロシアの戦車と戦えるわけがない」というコメントが届きました。でも、大丈夫です。「ジャベリン」というアメリカ製の対戦車ミサイルがあるから問題ありません。それに我々には「ブラヴァ」もありますから。ブラヴァとは、ウクライナの伝統的な打撃武器。今では権力のシンボルになっていますが、ウクライナ最古の武器でもある。18世紀頃のコサック兵たちはこれで相手を殴ったり投げつけたりして戦っていたようです。

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ウクライナ時代からの友人である島口さんと刀を構える(写真提供/在日ウクライナ大使館)
権力の象徴である「ブラヴァ」を片手にお出迎え

大の“親日家”だと語る、コルスンスキー大使。いつから日本との接点を持ち始めたのだろうか。

――外交官として日本に来た経緯を教えてください。

 元々はウクライナ政府で仕事をしていたのです。専門は数学。理学博士号も持っています。政府では科学分野を担当していて、ユネスコとやり取りをしていました。その後、エネルギーや貿易について勉強し、外交官になりました。外交官人生はもう27年にもなります。専門と言えるのは、経済分野。これまでイスラエル、アメリカ、トルコに赴任しました。

 私はとても幸せです。なぜなら、これまで赴任した国はすべて文化圏が異なるから。多様な文化を体験することができて、人生が豊かになりました。以前から、一度はアジアの国に赴任してみたいと思っていたんです。実は、直前まで中国に赴任する予定でした。それが急遽、日本に来ることに。今では、中国には行きたくないくらい日本が気に入っています(笑)。