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《ロシア侵攻》「心が綺麗なウクライナ人は邪悪な人間に負けない」“甲冑姿”のウクライナ大使が語る「ロシアと戦争と平和」

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「日本という国の印象は?」「本当にいい国です」

――駐日大使に赴任したのは2020年ですね。日本に来たのは初めてですか。

 かつて一度だけ福島を訪れたことがあります。2016年、チェルノブイリと福島原発に関するプロジェクトで来たのです。ウクライナ人はチェルノブイリ事故を経験していて、原発事故に関するノウハウを持っています。それを福島の復興のために還元しようという取り組みに参加したのです。

東京・西麻布にある在日ウクライナ大使館の建物
マスクにはウクライナの国旗がデザインされている

――日本という国の印象は?

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 本当にいい国です。日本の文化に興味を持つウクライナ人は実はかなり多い。もちろん私もその一人です。今はコロナで簡単に日本に来ることができる環境ではありませんので、周りからは羨ましがられています。私は書道に興味があり、時々先生に習って書いています。一番好きな日本の食べ物は寿司です。鰻が一番美味しいですね。私が目にした国際的な研究によると、寿司の消費量第1位は日本で、第2位はウクライナだそうです(笑)。ウクライナ人も寿司は大好物なんですよ。日本料理は何でも好きです。刺身だったらマグロ。味噌汁は毎日飲んでいます。

――逆にウクライナの食べ物で日本人に勧めるとしたら何ですか。

 やっぱり、ボルシチですね。ウクライナを代表する料理ですから。それと、ヴァレーニキ。餃子のような食べ物で、肉、サクランボ、キャベツなど色々な食材が入っています。それから、サーロという豚の脂身の塩漬け。食べると力が湧いてくるのでオススメです。生で食べることが多い料理なのですが、車でいうところのガソリンのような存在。食べるとすぐにエネルギーに変換されて一日元気でいられますよ。