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《身長180cm、体重180kg 大河ドラマの“恰幅のいい武士”役で話題》俳優・米本学仁(42)を楽にさせた「山本耕史の納得のアドバイス」とは?

《身長180cm、体重180kg 大河ドラマの“恰幅のいい武士”役で話題》俳優・米本学仁(42)を楽にさせた「山本耕史の納得のアドバイス」とは?

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すごく楽になった山本耕史さんからのアドバイス

 たとえば、歩き方は僕にとって大事なポイントで、どういうふうに歩くかがそのキャラクターを表すと思っています。

 時代考証の先生が当時の史料などをもとに「こんなふうに豪快に歩くのでは」と指導してくださったので、実際に演技に取り入れました。でも僕、これまで太っちょなりに工夫して自分の負担にならないように歩いていたんでしょうね。歩き方を変えたら、体が痛くなっちゃって(笑)。

米本さん ©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

 そのことを撮影の時に共演者の山本耕史さんにお話ししたら、「そっか、でも当時のことなんて本当のところは誰にもわからないよ。学仁の体のことは自分が一番よくわかっている。だから自然に自分の動きやすいように動いてみてもいいんじゃないか」と言ってくださって。

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 やっぱりNHK、歴史ある大河ドラマ、老若男女、全国津々浦々で見られる大河ドラマということで、僕もプレッシャーを感じていたんですね。「正しくないといけない」と勝手に思い込んで、気負っていた。それが山本さんのその言葉を聞いて、すごく楽になりました。これまで何度も大河ドラマに出演し、歴史上の人物を演じてきたその経験からくる言葉は説得力がある。時代考証の先生の言葉と山本耕史さんの言葉が、茂光の歩き方を作ってくれたなと思います。

米本さん ©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

「みんなに受け入れられる、<人気者のヨンちゃん>になろう」

 僕は1979年に宮城県で生まれ、大阪で育ちました。今でこそ人前で演技をすることを仕事にしていますが、小学生の頃の僕は引っ込み思案で、全然しゃべれなくて。友達と外に遊びに行っても10分くらいですぐに帰ってきて、一人でレゴをしているような子どもだったんです。かといって家も、『サザエさん』みたいな仲良し家族ではなく、居心地がいいとは言えなかった。そんな僕の唯一の居場所が「映画」だったんです。平日の夜にテレビで放送されたり、映画館に連れて行ってもらったりして映画を観ている2時間。その間は、画面に没頭して、黙っていていい。映画は僕にとって、現実から逃避できる場所だったんです。

 学校にも家にも居場所がないと感じていた僕は、このままだと生きていけない! と思ったんでしょうね。小学4年生のある日、「みんなに受け入れられる、<人気者のヨンちゃん>になろう」と思って1日で性格を変えたんです。

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