昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載池上さんに聞いてみた。

「いま猛烈に患者が増えているのでいずれ大きな問題になりますよ」池上さんの体験した“日本の国民病”前夜

池上さんに聞いてみた。

2022/03/02

Q いよいよ足音が…国民病「花粉症」はいつから?

 子どもの頃から鼻炎がひどく、毎年、2月の後半を過ぎると花粉症におびえる日々を送っています。コロナ禍になってマスクをしていますが、目もかゆいし肌も荒れるし、もう散々です。「花粉症は日本の国民病」ともいわれるのを聞いたことがありますが、海外の人はなぜ花粉症にならないのでしょうか。また、日本はどうして、いつからここまで花粉症がひどくなったのでしょうか。(20代・女性・会社員)

©iStock.com

A あれは、1974年の春のことでした…

 ご同情申しあげます。私も花粉症歴がそろそろ50年ですから、同病相憐れむという感じですね。

 私が花粉症を発症したのは1974年の春でした。当初は鼻風邪をひいたとしか思っていませんでしたが、77年頃に耳鼻科で相談したところ、「これはスギ花粉症です。いま猛烈に患者が増えているので、いずれ大きな問題になりますよ」と告げられました。いまから思えば先見の明のあるお医者さんでした。

 花粉症は、海外でもありますよ。英語でhay feverと言います。直訳すると「干し草熱」ですね。イギリスの牧場などで干し草を扱っている人たちにアレルギー症状が多かったことから、この名称になりました。症状が同じなので、花粉症でもこの名称で呼ばれています。花粉症の症状が悪化すると、本当に微熱が出ますからね。

2013年のデータで見る各国の花粉症事情 ©共同通信社

 ただ、日本で花粉症患者が多い理由は2つあります。ひとつは、第二次世界大戦後、戦争中に禿山になってしまった山に成長が早くて木材として使い勝手がいい杉の木を植えようということになり、全国に植樹。これが、ちょうど人間でいう青年期を迎え、大量に花粉を飛ばすようになったことです。

 もうひとつは、日本があまりに清潔になり過ぎてしまい、そもそも不潔な環境と戦うために人間に備わった免疫が力を発揮できず、花粉を外敵と見なしてクシャミや鼻水で追い出そうとしているからです。事実、途上国に行くと、花粉が大量に飛んでいても花粉症になる人は、あまりいないのです。

 まあ、文明病ですね。

「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!

質問投稿フォーム

この記事の写真(2枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー