疲労などを考慮した選手やチームから、「なるべく短めに応じたい」というリクエストもあるのだろう。カーリングは人気コンテンツであるため、制約がなければ報道陣は際限なく質問を重ねるかもしれない。
JCAの広報は現場とメディアの板挟みで気の毒な部分もあるが、それでも根幹には広く取材を受け、いい記事を世の中に出して読んでもらうという意識があると信じたい。取材時間の短縮一択ではなく、現場とメディアの要望のバランスを取る方向で調整をお願いできないだろうか。おそらくチームによってはスポンサーなどの関係で広報が必要なケースもあるだろう。そのあたりも汲んであげてほしい。
しかし、「広く取材をしてもらっても、結局、もぐもぐタイムのことばかり書かれる」とボヤく関係者もいる。それは事実だ。先に指摘したように、メディア側の質も高めないといけない。
メディアも深掘りした記事を作りやすくするためには
それでも、やり方はいくらでもある。例えば、会見の冒頭に注目プレーやキーとなったゲームやエンド、記事にしやすい氷上でのネタを、JCAの担当者自身が選手に質問する形で紹介してはどうだろうか。時間のみを気にして各媒体に丸投げするのではなく、今後はある程度の情報や方向を持たせた会見を行ってもいいのではないか。
幸いにも今回の北京五輪で躍動した日本代表のロコ・ソラーレも、現役選手がみなそうであるように、カーリングの周知発展には意欲的なグループだ。意図を理解してくれれば、会見時間の拡大、あるいは事前の準備にも応じてくれるだろう。いずれにしても、そのあたりを選手、広報、メディアで公式に議論する機会がこの4年間あまりにも乏しかった。これは大きな課題だろう。
メダリスト揃い踏みの軽井沢、おもてなしの札幌
もちろん、この4年間で大きく進歩した部分もある。まず挙げられるのは、各地のカーリング協会の組織力だろう。
この写真は4年と3ヶ月前、2017年12月、ワールドツアーにも数えられていた「軽井沢国際」の記者会見のものだ。平昌五輪直前で現地と時差のない同じアジアの大会ということもあり、調整の意味でも各国のナショナルチームが続々と参戦。この写真にいる5選手は平昌、北京のアイスを踏んだだけでなく、両五輪のトップ4が勢ぞろいしている。壮観だ。
ちなみに、この2年後の2019年大会には、北京五輪で悲願の金メダルを獲得した男子のスウェーデン代表、“キング”ことニクラス・エディン率いるチームも来日している。