ーー芸人さん同士などは、仲の良さがクローズアップされる傾向にありますよね。
熊切 ああ、それ感じます。だから、芸人さんに「芸人さん同士って、本当に仲いいんですか?」って聞いちゃったことがあるんですけど、本当に戦友であり、友人らしいんですよね。むしろ「おまえ、性根がちょっと腐ってるぞ」って言われちゃって。たしかに、ちょっとずつ考え方を変えなきゃなと思ってます。
ーーそうした話をお聞きすると、チェキッ娘時代に言われた「前に出ないと消えちゃうよ」は、大人によって椅子取りゲームのプレイヤーになるように仕向けられていた感がしてしまいます。
熊切 がんばってほしいから、そう言ってくれていたんだと思いますよ。でも、私自身が若かったから考え方がひん曲がっちゃったのかな?(笑)
そういうのもあって、何年も続いているアイドルグループを見てると「すごいなぁ」って感心しますもん。私は1年で限界だったので。
悩んでいたときに、やしきたかじんにもらった“答え”
ーー同世代の友人は少ないですけど、紳助さんのように気を使ってくれる目上の方々は多いですか。
熊切 大阪の番組に出てた時は、(やしき)たかじんさんや上沼(恵美子)さん。崖っぷちの頃は、さんまさんが面白がって使ってくださったり。志村(けん)さんも、番組でご一緒したのがきっかけで「志村魂」という舞台に呼んでくださったりしてくれました。
たかじんさんは、事務所を辞める時に相談に乗ってくれて、「俺はずっとフリーだったから。違うところに行きたいと思ったら、それはお前の人生だからいいんじゃない?」と言ってくれて。たかじんさんが仕事がなくてバイトしてた場所に連れていってくださって、「ずっと、ここで働いてたんだよ」って昔の話を聞かせてくださったんですよ。
ーーそんな原点みたいな話を聞かされたら、「頑張らなきゃ」という気持ちになりますよね。
熊切 そう。頑張ろうってなるし、そういう話を聞けただけでも幸せだなと思いましたね。上沼さんも番組で良くしてくださって、何回も呼んでくれたし、楽屋でも優しいんですよ。
ーーどなたかに、どうして助けたくなるのか聞いたことはありますか?
熊切 ないです。たぶんですけど、上の方にも思ったことを言っちゃうからかなと思って。ちゃんと失礼のないようにはしてるけど、正直に話しちゃうので、それで良くしていただいたり、助けてくださるんじゃないのかなと。