建築士・宅建などの資格予備校「総合資格学院」を運営する「総合資格」の岸隆司社長(71)が、社内でパワハラを繰り返している疑いがあることが「週刊文春」の取材でわかった。「週刊文春」が入手した動画に複数のパワハラ場面が映っていた。
総合資格学院は、一級建築士試験の合格者占有率日本一を誇る大手資格予備校。従業員数は約750人(昨年6月時点)で、売上高は約200億円にのぼる。全国に約90校を展開し、『アメトーーク』(テレビ朝日系)でCMも放送している。
総合資格を1980年に創業したのが岸社長だ。1999年以降、7年連続で高額納税者に名前を連ねたほどの成功を収めた人物である。
だが昨年10月、岸氏は「100人をリストラします」と突然宣言。既に90人近くの職員が退職に追い込まれた。総合資格の職員が語る。
「元々社長はパワハラ気質でしたが、この頃からそれがエスカレートしていきました」
強権を実際に発動したのが昨年12月4日のリモート会議だ。入手した映像には、岸氏を囲むように男性職員7人が映っている。そこで岸氏はある職員をやり玉に上げ、「バカたれが!」と叱責した。どうやら、職員が準備した大学教授の講義が、自分の意に沿わない内容だったようだ。そして次々とこう言い放った。
「君にはもう辞めて貰うよ」
「もうボケが始まってる。部下みんなが言ってる」
「引継ぎをやって貰って、後は有休を使って、辞めてくださいってこと」
解雇を言い渡された職員は、ただ頷くだけ。実際にこの直後、彼は会社都合で退職をしている。