昨年の第52回全国ミニバスケット大会は感染拡大に配慮して無観客とはなったものの、国立代々木競技場第一体育館・第二体育館で開催された。後援はスポーツ庁や日刊スポーツ新聞社、特別協力に朝日新聞社、協賛企業にも日本生命やENEOSなど大企業の名がずらりとならぶ子供たちが憧れる大舞台だ。
そんな大会の出場権をかけた「鈴木正三杯」が一時中断されたあと、U12部会から32チームに対して、全国大会や関東大会に出場したいチームを募って代表決定戦を行うか、選考や抽選などで出場チームを決めるかを検討中であるという通達が届いたという。
ところが――。
「それ以降、U12部会からは何のアナウンスもありませんでした。小学6年生にとっては全国大会を狙える最後のチャンスですから、決勝戦に出場するつもりで子供たちは必死に練習を続けていました。すると2月15日に突然、各指導者宛にU12部会からメールが届き、そこには抽選によって関東大会と全国大会に出場するチームが“既に決まった”と記されていたのです」(同前)
「え? 結局抽選になったの?」
「何で決勝戦をやらないことにしたの?」
指導者や保護者の間で瞬く間に動揺が広がった。だがU12部会は、保護者や指導者に対して、代表決定戦にエントリーしたチームの情報や、抽選で代表チームを選ぶと決定した経緯、さらに抽選方法や抽選日さえも一切知らせなかったというのである。
「このような不正が横行しているのでしょうか」
<近年、さまざまな競技団体、チームにおいて、不正が起きていますが、バスケットボール界でも、未だこのような不正が横行しているのでしょうか>
保護者たちは、U12の上部団体である日本バスケットボール協会の三屋氏に宛てた告発文で、そう記していた。
保護者たちは文書の中で、代表決定戦の開催か、透明性の高い形での再抽選を要求し、さらに今回の決定に至る経緯と議論内容の説明などを求めている。だが三屋氏や東京都バスケットボール協会は、保護者たちが指定した2月25日の締め切り日までに回答をしてこなかった。