さらに、こんな話も保護者や指導者に不信感を抱かせている原因の1つだ。
「全国大会に行けるのは男女それぞれ1チームですが、U12部会が抽選で選んだとするチームの代表者が、実はU12副部会長なのです。また、トップの部会長は東京世田谷区の校長先生で、世田谷区の女子チームが代表に選ばれていますから、本当に公平な抽選が行われていたのかと疑いたくもなります」(別の指導者)
本誌は、事実関係や見解を取材するため東京都バスケットボール協会と、その上部団体である日本バスケットボール協会に文書で取材を申し入れたが、期日までに回答はなかった。
「このままでは子供たちに説明できません」
3月1日に、指導者3名が東京都バスケットボール協会の専務理事と面談している。関係者がこう明かす。
「専務理事は、選考のやり方を今後見直すというような発言をしたものの、再選考は行わないとの主張でした。同じ組織であるにもかかわらず、自分ではなくU12部会長に改めて抗議をするよう促され、結局話は平行線に終わってしまったそうです」(前出の指導者)
別の保護者はこう嘆く。
「実は、まだ子供たちには、全国大会に出られなくなったことを知らせていません。何も知らないまま、今も一生懸命バスケの練習をしています。私たちは何も、うちのチームを全国大会に出してくれと言うつもりはありません。問題視しているのは、一部の関係者だけが密室で決めるようなやり方が透明性や公平性を欠いており、もっと健全なスポーツ運営をすべきで、そのために組織を改革する必要があるということなのです。このままでは、子供たちに対してなぜ全国大会に行けなかったのかと、胸を張って説明することができません」
53回目の全国大会は、3月末に開かれる予定だという。